20: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/13(土) 21:40:15.65 ID:RAsilgOBo
僕らの入り込んだ裏道は、道玄坂上の北隣、円山町のホテル街へと続いている。
濃密な男女のエリアだ。
短針がまもなく上を向こうかという時分。
21: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/13(土) 21:41:31.04 ID:RAsilgOBo
少女は、ホテルの当たりをつけてあるらしく、迷いのない足取りで小道を進んでいく。
宿泊料金と空室の有無をチェックして入ろうとする彼女を、僕は慌てて制止した。
首から上だけをこちらに向けて、強烈な怪訝顔を向けてくる。
22: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/13(土) 21:42:32.44 ID:RAsilgOBo
いつの間にやら、オジさんでもおにいさんでもなく、アンタ呼ばわりになっている。
しかも色々と僕の尊厳を傷つける言葉が聞こえたが、今はそれはどうでもいい。
なにも、身体を重ねるだけが渇きを癒す手段ではないはずだ。
23: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/14(日) 22:33:17.28 ID:kk1uQQ7nO
――
渋谷は有数のクラブ密集地帯だ。
24: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/14(日) 22:34:18.77 ID:kk1uQQ7nO
僕の行きつけているここは比較的大人しめで、今日はEDM、特にイギリスモノをメインに回す日のようだ。
UKガラージュやダブステップのトリッキーなリズムや分厚いシンセベースがフロアを駆け抜けている。
スモークが焚かれ、レーザー光が飛び交い、青白いスポットライトがDJブースを浮かび照らす。
25: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/14(日) 22:36:15.52 ID:kk1uQQ7nO
そもそも論を云ってしまえば、未成年がこんな時間こんな場所には入れないはずなのだが――
常連のよしみで、頼み込んでお目こぼしをして貰った。
「……」
26: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/14(日) 22:37:31.08 ID:kk1uQQ7nO
「ダンス教わったことないし、普段こんな曲聴かないもん。どう踊ればいいのかなんて判らないよ」
ちらりとフロアの方を見遣ってから、スマホを学生鞄の中へ放り投げた。
そう難しく考えずとも、心の求めるままに身体を動かせばいいだけなのだけれど。
27: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/14(日) 22:38:30.64 ID:kk1uQQ7nO
しばらくそのまま、何をするでもなく音楽を愉しむひとときが過ぎる。
ブリブリと激しいワブルベースがフェイドアウトしてゆき、火照ったフロアをクールダウンする曲選に変わった。
遅いビートに透き通った女性ボーカル、リバーブの深い電子音。トリップホップだ。
28:名無しNIPPER[sage !蒼_res]
2015/06/14(日) 22:43:09.68 ID:kk1uQQ7nO
毎度ちまちま更新で申し訳ないですが今日はここまで
だいたい五分の一くらいの位置かと思います
29:名無しNIPPER[sage]
2015/06/14(日) 23:45:53.76 ID:YvEWjZXi0
ほう
30:名無しNIPPER[sage]
2015/06/14(日) 23:59:09.43 ID:6JGewbhUo
ええでええで
次いつくらいに更新できるか書いてくれたら助かります
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