65: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:42:11.67 ID:MUuaVWOfO
「……煩いな」
僕の思考が独り言として漏れていたらしい。
まるで、私を円光わないなら邪魔だから退け、とでも云いた気の、鋭い目つきを僕に向けた。
66: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:43:39.70 ID:MUuaVWOfO
身体は壊してないだろうか。寝込むことになってしまわないか。
いくら他人とはいえ、少しでも関わりを持った以上は、そう云った思考を振り払うのは難しい。
完全に関わることなくスルーするか、さもなくば徹底的に付き合うかのどちらかにすべきなのだ。
67: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:44:34.02 ID:MUuaVWOfO
仕方ない……と、会社で何度も吐いたものと似た類いの溜息をひとつ。
「えっ?」
彼女にとって僕の出した答えは意外なものだったのかも知れない。
68: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/18(木) 22:45:21.46 ID:MUuaVWOfO
「ふぅん……ま、好意には有難く甘えさせて貰おうかな」
先日のような腕組みではないが、今日は今日とて女の子と相合い傘である。
喜んで良いのやら悪いのやら。
69:名無しNIPPER[sage !蒼_res]
2015/06/18(木) 22:49:12.01 ID:MUuaVWOfO
それではまた
70:名無しNIPPER[sage]
2015/06/19(金) 07:44:40.44 ID:bhMDbfRDO
こういう退廃的な話好き
71: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/19(金) 23:26:26.61 ID:S9oem3+wO
――
道玄坂を登り、同じルートでホテル街へと進んでゆくと、あっという間に空気が変わる。
72: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/19(金) 23:27:23.24 ID:S9oem3+wO
その光景を目にした途端、先日の帰り際の記憶がどうしても甦ってきてしまった。
結局、僕の渡した四万円はどさくさにまぎれて受け取らず、別のオヤジとホテルへ入っていったこの少女。
なんでわざわざ僕に金を突き返して、あんなハゲデブと寝ることを選んだのだろうか。
73: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/19(金) 23:28:25.68 ID:S9oem3+wO
「それに、眠いしさっさと寝たかったんだよ。家に帰るのは億劫だし」
異性との交わりなんて、睡眠とは対極にあるはずではないのか。
「あんな泥酔したオジさんはね、手コキなんかでいいから、一発抜いちゃえば大抵大人しく寝ちゃうんだよ」
74: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/06/19(金) 23:29:03.49 ID:S9oem3+wO
「私はそれからお風呂に入ってさっと寝て、朝早めに自分だけ抜け出したから、あの日はラクなもんだったな」
今夜はどうなるかわからないけどね? と、僕を試すような言葉をご丁寧にも添えてくれる。
僕のスルー力が問われている。
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