139:名無しNIPPER[saga]
2015/06/22(月) 07:58:02.50 ID:77iltqVDO
「あ、分かった。カレンとデート?」
「外れだ」
シャーリーは強い興味を持っているようだった。理解できない。今の問いに頷くべきだったか。しかし、カレンは今日、用事があると言っていた。彼女を休日まで拘束するわけにはいかない。
どうする、何かないか。ライは無表情のまま、辺りを見渡した。いつになく焦っていた。
駄目だ。無い。視線を落とす。
あった。これしかない。
「靴を……」
「え?」
「靴を、買い替えようと思っていた」
シャーリーの目がライの靴に向いた。少し前までは新品だったアッシュフォード学園指定の靴が、今ではかなり痛んでいる。毎日のようにトウキョウ租界を歩いていたからだ。
「あ、ホントだ。凄い痛んでる。どれだけ歩いたの? まだ二週間も経ってないのに……」
シャーリーは感心しているようだ。普通、学生の靴は一年毎に履き替えるものだと聞く。金銭的に余裕がある人間が集まるアッシュフォード学園なら、もっと頻繁に交換するのかもしれない。
「でも、靴なら会長に言えば取り寄せてくれるでしょ?」
痛いところを突かれた。
「確かにそうだ。だが、租界を歩くなら動き易い物の方が良いだろう。スニーカーなら、値段も手頃だ」
「なるほどね」
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