180:名無しNIPPER[saga]
2015/06/25(木) 17:22:58.46 ID:bQXV5DuDO
「でも、なによ?」
歯切れの悪いライに、ミレイは怪訝そうな表情を向けてくる。普段は傍若無人で人使いの荒い女性だが、本質は誰よりも気遣いの出来る人だ。だから、あの個性が強い生徒会メンバーを纏めていられるのだろう。
だが、だからこそ口を閉ざすしかなかった。自分を保護してくれ、さらには衣食住の面倒を全面的に見てくれている彼女に、学園生活より大切なものがあるとは言えなかった。
「ある程度サボっても、授業にはついていける事が分かったので」
誤魔化すべく口から出た言葉は、ミレイを大いに不快にさせたらしい。彼女は笑顔のまま、目尻をひくつかせた。
「……へぇ。ウチって、結構な進学校だと思ってたんだけどな……」
「いや、決してアッシュフォード学園の学力を軽視しているわけではないんです」
「ま、あなたの気持ちも分かるけどね。でも……一時は落ち着いてたでしょ、記憶探し。どうしてまた熱をあげてんの?」
「…………」
街中で見かけてから、気になる少女がいる。彼女が記憶の手掛かりになる可能性は高い。手掛かりにはならなくても、せめてはっきりさせたいのだ。特に隠す必要は無いように思える。
(言うべきだな。ミレイさんには報告しておくのが筋だろう)
「街中で、気になる子でも見つけたとか?」
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