184:名無しNIPPER[saga]
2015/06/25(木) 23:29:47.00 ID:bQXV5DuDO
繁華街には何度も来た。にも関わらず、店の名前に覚えはなかった。
こういう事なら、ルルーシュやスザクに付き合ってもらえば良かったと、ライは途方に暮れた。お使いさえまともに出来ないとなると、今後の立場にも影響してくるだろう。手ぶらで帰るわけにはいかない。
どうしたものか。
いつぞやのベンチに座り、息を吐いた。学園を出た時には晴れていた空は、だんだんと曇ってきていた。一雨くるかもしれない。
(誰かを頼ろうにも……)
今は平日の昼前だ。生徒会のメンバーは(出席しているかは別として)授業中である。呼び出すわけにもいかない。となれば、街を歩いている人に尋ねる他ないだろう。
ライは立ち上がり、なんとなく前を通り過ぎようとしていた女性に話しかけた。
「……すみません。少しよろしいでしょうか」
「なんだ。ナンパなら他を当たれ。ん? その制服……」
相手の女性は男のような口調で、その声からは硬質な印象を受けた。しかし、アッシュフォードの制服を知っているらしい。僥倖だと思った。
「いえ、店を探しているんですが、見つからなくて」
「店……? 私もあまり詳しくはないのだがな」
ライは目を落としていたメモ切れを相手に渡した。それを受け取った女性はふむ、と唸る。
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