239:名無しNIPPER[saga]
2015/06/30(火) 11:15:31.09 ID:oqH+Nm+DO
『内部の制圧完了しました。歩兵部隊をお願いします』
<ランスロット>のデヴァイサー(特派内でのパイロット)である枢木スザク准尉が報告してきた。彼は名誉ブリタニア人──イレヴンのため、本来はナイトメアの搭乗資格を持たないのだが、特派の中だけの特例ということで許可されていた。<ランスロット>を操れる人間がごく限られているせいだ。
「もうしてるよ」
モニタリングしていたため、既にセシルが動いている。間もなく事態は収拾されるだろう。
「お疲れ様ぁ〜。怪我は無い?」
『はい、ありません。ありがとうございます』
「違う違う。君じゃなくて<ランスロット>のだよ」
『……損傷は無しです』
そんな事は分かっている。この程度の仕事で機体を傷つけるような人間に<ランスロット>は任せない。今のは武装をほとんど使用しなかったスザクに対する、ロイドのちょっとした意地悪だった。
「ロイドさん?」
後ろからセシルが現れ、右肩に手を置いた。ゆったりとした手付きだが、骨が軋むほどの恐ろしい握力だった。
「あ、ごめんなさいごめんなさい。言葉が過ぎました」
「まったく……。歩兵部隊が到着したら、スザク君も帰投してね。お夜食作ってあるから」
『り、了解しました』
通信が切れる。長くなりそうだった夜は呆気ない終わりを迎えた。
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