240:名無しNIPPER[saga]
2015/06/30(火) 12:20:56.12 ID:oqH+Nm+DO
カーテンの隙間から漏れる光を感じて、ライは目を開けた。少し遅れて、目覚ましのアラームが鳴った。驚きもせずに止めて、ベッドから起き上がった。
体調を確認。血圧、骨格、筋肉、動悸、全て正常。若干の頭痛がある他は異常なし。いや、記憶はまだ戻っていなかった。異常ありだ。
空腹も問題なかった。昨晩、塩分と糖分、水分は摂取したためしばらくは動けるだろう。カロリーや各種ビタミンは二日以内を目処に取っておこう。
そんな事を考えながら、寝巻きとして使っているシャツを脱ぎ、ズボンを脱ぎ、下着を脱ぐ。シャワールームの中、湯の張ってないバスタブに入り、シャワーの冷水を頭から被った。
「…………」
冷水が体温を奪っていくのを感じる。排水口に流れていく水道水を、たっぷり五分間眺めた。蛇口を捻り、水を止める。凍えた体を温めもせず、無造作にタオルで拭いて浴室を出た。
清潔な衣服に着替え、その上からアッシュフォードの制服を着込む。学生鞄を開け、持ち物を確認。これも問題なし。所持金も、一週間近く前から変わっていなかった。
登校時間までまだ余裕があるものの、早めに出発しておこうと靴を履いた。こういう場合は生徒会室に行って、他のメンバーが嫌がる書類仕事を済ませておくのが最近の日課だった。
自室の鍵を持って部屋を出る。扉を閉めてから鍵をかけ、施錠確認。戸締まりは念入りを心がけていた。
「……?」
自室を出たライは、すぐ近く──ランペルージ兄妹が暮らしている部屋を見た。僅かに扉が開いている。妙に思って、近づいた。
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