296:名無しNIPPER[saga]
2015/07/06(月) 00:30:02.05 ID:DIPBHoXDO
「ほーらっ。気を落とさない。学園で楽しそうにしてる女の子達でも見たら、きっと元気出るわよ」
「……そうですね」
空返事だったが、ミレイは嬉しそうに頷いてくれた。
「キミもやっぱり男の子だねー。それじゃ、行きましょ」
他愛ない言葉を交わしながら中庭に出る。
「迷子になるって事は、自分で色々と歩いてみたんでしょ」
「そうですね。一応は」
「じゃあ、なんで迷子になるの」
二回目の質問だった。しっかりとした答えを返さなければならない。
「それはですね──」
一人で歩いていると、考え事をしていて意識が埋没することが良くある。街中だと適当にベンチでも見つけるのだが、どうしてか学園内だとそのまま歩いてしまう。
結果として、迷子となるわけだ。
ライが懇切丁寧に説明すると、ミレイは困ったように笑った。
「──というわけです」
「変ね。あなたって」
「……良く言われます」
ミレイから言われたことで、生徒会メンバー全員から変人の評価を頂くことが出来た。とても嬉しくなかった。
「なーんか、どっかズレてるのよね。それなのに冷静だから、おかしくって。ふふ」
なにが面白いのか、ミレイは笑いをこらえきれていない。
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