566: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/14(月) 21:37:52.44 ID:abxhPIPDO
コックピットが開き、ライが降りてくる。汗一つかいていない。疲労など微塵もないようだった。
「つまらなかったでしょ?」
ロイドに言われ、少年は僅かに眉を寄せる。
「……楽しもうと思っていたわけではないですよ。最初から」
むしろ、つまらなかったのはあなたの方でしょう。言外にそう言いそうな雰囲気があった。
「まあ、良いでしょ。セシル君、残っている彼の検査をお願いね」
「分かりました」
いじけた様子でロイドはデータを整理し始める。今回のような結果を受けて、彼がああいった表情になることは珍しい。普段なら、予想以上の能力を見せたライに対して飛び上がって喜びそうなものだが。
「付いて来て」
「分かりました。あ、その前に……」
ライは持っていた学生鞄から数枚の書類を取り出す。それを手に、ふてくされた様子のロイドのところまで歩いて行った。書類を受け取った上司は今までの表情から一転、きゃっきゃっとはしゃぎ出す。その変化たるや、まるで魔法のようだった。
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