633: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/26(土) 22:45:04.73 ID:rpLvuEADO
(なんだ、簡単じゃないか)
見事な結論が出たことに安堵したライは仕事に専念した。はかどって仕方がない。カレンが怒っている理由は何一つ判明せず、また解決もされていなかったが、それらは一時的に置いておこうと思った。
束になっている会計報告書を紐解き、収入と支出に間違いがないか確認する。一枚一枚を逐一計算していると膨大な時間が掛かるため、幾つかのものを選んで、脳内で平行処理していく。
頭で数字遊びをしながら、手元で議事録の内容を整理。分かりやすくジャンル毎にまとめる。
そして、たったいま確認し終えた数字を書類に記入していくと、やはり一つの間違いもなく完成した。乱雑なピースが独りでにはまっていくような感覚。自分が正しいという確信。こういう時、ライは強い充足感を覚える。
また勝ってしまった。勝利の余韻に浸っていると、カットしていた聴覚が音を拾う。
「アーサーは良い子ね。誰かさんと違って」
カレンの声だった。
「…………」
誰かさんとは誰のことだろう? 少し気になって耳を傾ける。
1002Res/860.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。