683: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/06(火) 20:51:49.61 ID:h2uoLNaDO
カレンがライと接していた理由はなんでもない、ただの思いつきや他愛のない気まぐれだった。
病弱でおしとやかなご令嬢などという、本来の性格とは一八〇度違うキャラクターを演じる息苦しい学園生活の中で、同じく生き辛そうにしているあの少年に同情したからだ。そこに他意は無い。
684: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/06(火) 20:56:49.80 ID:h2uoLNaDO
「謝らなくていいわよ。せっかく租界の中で仲良くなったんでしょ。戦いたくないって気持ちも分かるし」
「同年代の友達……だもんな」
685: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/06(火) 21:00:25.35 ID:h2uoLNaDO
「あんまりこういう事は言いたくないんだけど……しといた方がいいと思うわよ」
「何をですか?」
686: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/06(火) 21:01:40.11 ID:h2uoLNaDO
「え……。なにが?」
やはり様子が変だ。この時間に登校し、既に仕事を終えている。それだけなら単なる気まぐれで済むかもしれないが、昨日の変貌ぶりと合わせて考えると、おかしな部分も目立ってくる。
687: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/06(火) 21:02:53.89 ID:h2uoLNaDO
「少し考えてみたんだけど」
「ん……なんだ」
688: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/06(火) 21:04:18.62 ID:h2uoLNaDO
否定するのは簡単だったが、ライはカレンの意図を知るために明言は避けた。
「ゲットーを懐かしいと言っていたでしょ? それとなにか関係があるんじゃないかと思ったんだけど……」
689: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/06(火) 21:07:07.59 ID:h2uoLNaDO
「機体制動時に発生するGを制御しきれなかった。あれは僕が実機に慣れていなかったためだと思う」
戦闘中、何度かカレンの体が浮き上がる事があった。あれはライがナイトメアを扱いきれていなかった証だ。頭の中では彼女の安全を確保していたのに、現実はそうならなかった。
690: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/06(火) 21:09:12.44 ID:h2uoLNaDO
「どうかしら。あなたはブリタニア軍を撃破することにためらいが無いように見えたけど」
「…………」
691: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/06(火) 21:11:06.03 ID:h2uoLNaDO
「可能性の話よ」
カレンは笑って言ったが、その笑みは無理をして作っているように見えた。
692: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/06(火) 21:13:01.56 ID:h2uoLNaDO
その結果としてカレンが苦しんでいるのなら、責任はやはり、ライに帰結するのだろう。
いい加減、彼女を解放するべきだ。
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