762: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/24(土) 06:13:52.41 ID:QEKfXJJDO
「災難だな」
ナナリーを寝室に送り届けた後、ライはルルーシュの部屋に訪れていた。食事も含めて、最近はこういった事も増えている。
763: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/24(土) 06:15:37.15 ID:QEKfXJJDO
ライは自陣に白い駒を一六個並べてから、ルルーシュの陣地にも同様に黒い駒を並べていく。だが、黒い駒は一〇個しかない。八個のポーンと、キングとクイーンが一つずつ。ナイトとビショップ、ルークの駒を抜かれた状態だ。
ルルーシュが初心者であるライとやる際は、いつもこの変則ルールを採用する。一〇対一六──しかも主要な駒を抜いた状態では優勢など明らかだ。
764: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/24(土) 06:17:27.04 ID:QEKfXJJDO
三局ほど終えて、二人は一息ついた。勝負はやはり三回ともライの勝利で終わっている。
それだけ見れば圧倒しているようだが、盤面の駒数にはほとんど差が見られない。最初は六個もの優位があったのに、それが消失しているのだ。対等な条件で勝負した場合、どちらが勝つのか──それは恐らく、黒い駒の主にしかわからない。
765: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/24(土) 06:18:47.67 ID:QEKfXJJDO
「可愛げのない生徒だ。この状態で打っても、リヴァルには完勝出来るんだが」
「それは彼自身の問題だな。僕が強い証明にはならない」
766: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/24(土) 06:23:14.79 ID:QEKfXJJDO
シンジュクゲットーでの事を言っているのだろう。それを踏まえて、ライは間髪入れずに答えた。
「嫌いだな」
767: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/24(土) 06:26:54.99 ID:QEKfXJJDO
既に彼の自宅はゼロから情報提供を受けていたらしい報道陣によって包囲されており、貴族は何人かのボディーガードと共にマシンガンのように降り注ぐシャッターの光で灼かれていた。
色々な意味で、目に悪い光景だった。
768: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/24(土) 06:28:52.56 ID:QEKfXJJDO
言葉通りの興味本位……というわけではないようだった。ルルーシュという男は警戒心が強く、また思慮深い。
その彼が自分と、あの反政府組織を結びつけたがる理由。それを推察する。
769: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/24(土) 06:30:22.53 ID:QEKfXJJDO
「…………」
以前、カレンから指摘されてから変えたのだ。日本人のスザクもいるのだし、特に問題は無いと思っていた。
770: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/24(土) 06:31:40.00 ID:QEKfXJJDO
「歪……間違っているということか?」
「違う。七年前の戦争で勝ったのはブリタニアだ。主導権を握るのは当然だろう。好きにしたらいい」
771: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/24(土) 06:34:05.39 ID:QEKfXJJDO
「……正論だな。だが、それだけでは納得できない連中もいるだろう。だから各地では反政府活動が毎日のように繰り返されている」
「それはブリタニアが弱いからだ」
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