872: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/15(日) 23:48:39.88 ID:dxIhcDNDO
「いま一緒に戻れるわけないでしょう? 荷物は私が持っていくから」
「だが、待ち合わせなら校門付近で良いはずだ」
「それは、ほら。写真部にまた撮られたりすると困るし……」
他人からどう言われようが構わないが、それでも羞恥心が抵抗してくる。手順は必要だろう。
「とにかく、すぐ行くからあなたは待ってて」
「わかった」
ライはこくりと頷く。こういう素直な所は彼の美点だろう。軽くなった足取りでカレンは教室へ戻った。
茜色に染まった空を楽しみながら、公園の敷地内に入る。手には二人分の鞄。シャーリーとリヴァルから当たり前のようにからかわれたが、それはなんとかやり過ごした。
教室を出る直前にシャーリーから『頑張って!』と言われたのは気になったが、それについて考えるのはやめておこう。疲れるだけだ。
(……いない)
公園を見渡すが、ライの姿は確認できない。敷地内はグラウンド並みの広さを持っているし、人や観葉植物も多いので死角にいる可能性もある。ただ単にトイレ等に行っているだけかもしれない。
こういう場合、いたずらに動きまわるのは下策だ。カレンは見晴らしの良い場所を見つけて、そこでライを待つことにした。
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