876: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/15(日) 23:55:53.46 ID:dxIhcDNDO
人の少ない場所を探してベンチに腰掛け、カレンは空を見上げる。スカートの汚れを拭き取る気力すら無かった。
最悪の気分だった。人のいない所を探して、息を潜めているしかない。学園でもこの公園でもそうだ。ブリタニア人でも日本人でもないためか、どこにいても居心地が悪い。
ベンチは木の影に包まれている。涼しく、風通しは良かったが、それで気が晴れるわけでもない。
少しして、ライがやってくる。手には缶ジュースを二つ持っていた。
「今日は災難だな」
ストレートティーの缶を渡される。ひんやりとした感触が、何故か新鮮だった。
「……ありがとう」
プルタブを開け、紅い液体を口に含む。仄かな甘味と慣れ親しんだ香り。どうやら喉が渇いていたらしく、半分近くまでごくごくと飲んでしまった。お嬢様としての外聞など気にならなかった。
「……ふう」
ようやく人心地ついた。冷たい飲み物のおかげか、頭も少し冷えてくる。
「…………」
一気飲みをしていたところをライに観察されていた。カレンの頬が熱くなった。
1002Res/860.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。