893: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:11:53.55 ID:xN9on8TDO
「スザク、買ってきたぞ」
昼休みの生徒会室。ライは持って来たビニール袋を黒猫の世話係主任に渡した。
「ありがとうライ。助かったよ」
「……手遅れだったようだ」
スザクに抱かれているアーサーは酷く不機嫌な様子で、飼い主の手に生傷を作り続けている。食料の供給が断たれていたためか、それとも自身を抱き上げている人間に対して何か思うことがあるのか──きっと両方だろう。
「君はそのままアーサーを取り押さえておいてくれ。餌は僕が用意しよう」
「うん。分かっ……痛っ!」
我ながら的確な役割分担だと思った。アーサーはライにまったく懐いておらず、しかもあの状態だ。スザクに前衛を任せ、自分は支援に専念した方が得策だろう。
「災難だったな」
指定席に座っているルルーシュが言った。アーサーのキャットフードが切れていたために急いで買い出しへ行くことになったライへの言葉らしい。
騒がしいスザクとライを尻目に、黒髪の美少年は読書に興じている。親友が猛獣に襲われて涙目になっているというのに、薄情だとライは思った。
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