過去ログ - 加賀「反転電波を浴びたから提督を搾首手ポキするわ」 R-18G
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25:名無しNIPPER[sage]
2015/06/16(火) 21:39:39.27 ID:S7xHHFuio
 
 幸運、幸運、幸運だ。今にして思えば、これまでの人生において、たいそう運は味方してくれた。
今の立場に至るまでも、至ってから上げた戦果の内容も。幸運は深く食い込んでいるに違いない。

 身体中に激痛が走る。歯をくいしばって耐えながら額の包帯を外した。

 彼女たちに出会えたこともだ。これは人生の中で最も幸せなことかもしれない。
それ以外に襲われる不幸が、取るに足らないことだと思えるくらいに。

 血に濡れた汚らしい包帯を口をも使って左の二の腕上の方に巻き付ける。不器用ながらも形にはなった。

 俺がやるべきことは、余剰で生まれた力をつかって何か大きなものを守ることだったのだ。
それを少しの苦境で、今に至るまで見失っている。なんと脆い心情でいたものか。

 右腕で木を掴みながら身体を引きずって移動する。ゴホリゴホリと濁った咳が出た。

 それでもなお、今も幸運だ。爆発の瞬間木が盾になって、ちぎれ飛んだのは左手だけ、
眼球も首筋も主要臓器のある部分も、細かい傷がついただけだ。致命傷も負ってはいない。
……日常に戻れたなら、ちゃんと訓練しなければ。いざというときに的を外すなと――。

 音を聞きつけた調査員がやって来る。こちらを見て狼狽する様子に、絞り出すようにして声をだす。

 「不発弾が、爆発した。ゲホッ、不運、だな……」


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