74: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/17(水) 00:21:49.65 ID:bJtf1eDj0
「比企谷? 今何かの波動を感じたぞ?」
「ヒッ……なんでもありません……」
ゴゴゴ……と背景にオーラが見えた。新手のスタンド使いかっ!!
「まぁいい。……そうだ、これを持っていきなさい」
「?」
掌を出せというジェスチャーをされたので、疑問に思いつつ黙って右手を差し出す。
開いた手の上に四角い物体が落とされた。こ、これは……。
「チョコ……っすか」
「今日はバレンタインだからな。由比ヶ浜、君にもあげよう」
「わー! ありがとうございます!」
まさか先生からも貰えるとは……。この瞬間、過去の記録(1個)を塗り替えました!
その1個は毎年毎年健気に作ってくれる小町のものというのは言うまでもない。
由比ヶ浜は元気に礼を述べ、うやうやしく受け取ったチョコレートを背負ったリュックにしまい込んだ。
「礼には及ばんよ。おっと、では私はこれで」
他の先生に声を掛けられ、平塚先生は書類を手に席を立った。
職員室内の様子を見るとどうにもせわしない。これから会議でも始まるのだろうか。
由比ヶ浜は再びリュックを背負い直し、こちらを覗きこむように意思を問う。
「じゃあ……行くよね」
「そうだな、顔くらい見せるつもりだ」
問いかけに首を縦に振り、俺の意思を伝えた。あちらもうなずきを返す。
そのまま揃って職員室を出て、雪ノ下のいる保健室へ向かった。
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