過去ログ - 八幡「贈り物には想いを込めて」
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80: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/17(水) 00:53:50.77 ID:bJtf1eDj0
「開けるぞ?」

「ええ」

はらりとカーテンを開ける。こんなに薄いものなんだなと、ふと手で触って感じた。
中に入ると、久方ぶりに見る彼女の姿。ベッド上で上半身を起こしてこちらを待っている。

熱でやや上気した顔。ベッド脇の机を見れば綺麗に畳まれて置かれたブレザーとカーディガン。
3番目のボタンまで開けられた、リボンタイのついていない真っ白なブラウス。
寝汗をかいたせいだろうか、僅かに肌に張り付いている。ちらりと普段は目につかない彼女の鎖骨まで見えてしまう。

制服を着崩さない彼女が見せるその姿は、とても新鮮で違う一面を伝えてくる。

「立っていないで座ったら?」

正直顔を見せたら帰ろうと思っていたので、この提案は意外だった。

特に断る理由もみつからず、ベッド脇の丸椅子にゆっくりと腰を降ろす。

もう静かに行動する理由もないのに、無意識下でそういう動き方になっているのが少し可笑しかった。
椅子に座ると、ベッド上にいる雪ノ下と視線が同じくらいの高さになる。
目を合わせて懸案事項を投げかけた。

「そういえば家に連絡は入れたのか?」

「…………いえ、特には」

合わせた綺麗な目がすーっと横滑りした。

案の定というか、予想通りだから特に驚きはない。
雪ノ下はやましいことがあるような、そんな態度でこちらの方を真っすぐ見て来ない。

「平塚先生には自分で連絡入れるって言ったんだろ?嘘になっちゃうぞ」

「嘘にはならないわ。これから電話すれば」

「屁理屈だ……」


屁理屈だよね?雪ノ下がそういうことを言うのはあまり見たことがない。
先ほどから随分楽しそうにクスクス笑いが止まらない。熱に浮かされちゃってるのかしら?



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