過去ログ - 万里花を愛でるニセコイSS「ハナヨメ」
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9:名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:19:07.14 ID:EUGrH/Tp0
「お、おい、橘、いい加減に……って、ん?」
「ひゃう!」

されるがままになっていた楽が、するりと手を万里花の首筋にあてる。すべすべてもちもちで、ちょっと熱い。

「橘、お前、熱でもあるんじゃねえか?」
「! そ、そんなことありませんわ。きっと、長時間のエステで肌が火照っているだけでしょう」

「……」
楽はじいっと万里花の目を見た。何も万里花との付き合いで学んだことは、抱きつかれた時の感触だけではない。
万里花がこうしてやけに元気に見えるときは、注意が必要なのだ。
こんなにオープンでアグレッシブなくせして、本当に重要なことや自分の弱さはいつだってその微笑みに隠そうとするのだから。

「……行くぞ」
ひょいと万里花を抱え上げる楽。

「きゃあ! ら、楽様、い、行くってどちらへ……」
「保健室。決まってんだろ」

あ……と小さな呟きを漏らすと、ジタバタしていた万里花がしゅんと大人しくなる。
まるで悪戯を見つかった子供のように、楽と目を合わせないように俯いたまま抱きかかえられている。

「ちょ、ちょっと、楽!?」
何が起きているのかさっぱり分からない千棘が声を上げる。
心配をかけないようにしたいけれど、咄嗟に言い訳も思いつかない。

「悪い、千棘。ちょっと、その……バイトに行ってくる」
誰も信じないであろうウソを言い残し、楽は万里花を保健室へと運ぶために教室を後にした。


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