7:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 13:34:03.23 ID:KKdbAala0
それはそうだ。そもそも他人が読むことを前提とした文書に、あからさまに他人を貶すような表現を用いたり、批難を書いておきながら何の関心も持たれないと考える事はおかしい。もしもそう考える人が居たとしたら、それは相当考えの浅い人間であり、相当な馬鹿だ。もしも明らかに常識的な振る舞いから逸脱した行動を見せる(重要なのは逸脱した行動を行う事ではなく、そうと分かるように他者にその行動を見せつける事だ。)者が居たとしたらそれは何らかのメッセージとして受け止めるべきだろう。そしてもしも、そのメッセージを発した上で何の問題を感じさせない者がいたら、それは余程の問題を抱えた者かでなければただの構ってちゃんだ。
「深刻って何ですか。友達が居ない位今時珍しくないですよ。ネットを見ればどこにでも居ますし」
「そういった者も心の中で友人を欲している。君のように心底から友人を欲していない者はかなり稀だろう」
「俺が友人を欲していないって何故先生はそう言い切れるんですか」
先生とまともに会話するのはこれが初めてだ。先生がそう判断する様な手掛かりなど与えた覚えはない。が、そもそも今こうして会話している中で手掛かりを与えたのが、彼女にそう思わせた原因ではないだろう。何故ならそう思わせる何かが有ったから今こうして呼び出されている訳だし。何かを危惧したからこそ呼び出したのなら、その原因は今以前になければおかしい。しかし彼女が余程俺を注視していない限りそう思われる原因はないと思うのだが。
だが、先生にとってはそれは自明のことのようだった。
「お前のような奴がそんな物を必要としている筈がない」
「はあ!?」
思わず教師を相手にしているとは思えない言葉が口を突いた。まさかもまさか。ここまで驚きの連続だったが、今日一番のまさかはこれをおいては他にありえないだろう。言うに事欠いてお前はそんな奴じゃないとは一体どういう事なのか。
「授業中はしゃぐ生徒は例外なく黙らせ、時折私語をしたかと思えば他生徒に対して俺はいいんだと言い切り、あまつさえ教師にそれを認めさせる様な奴がそんなまともな訳ないだろうが」
「それは誤解ですよ。例外なく黙らせって俺は特にうるさい奴に対して黙ってくれと言ったら他の奴も口を聞かなくなっただけで、俺はいいんだと言ったというのも授業開始時にその時の先生が、俺が説明してる間は絶対に喋るなと言っていたので、その指示通りに喋っても気にしないタイミングを狙って少し話しただけです。それを俺が気に食わないから食って掛かって来た奴に、教師の発言を確認しただけです」
「君は、君が言った通りの事しかしていないとしてもそんな事をする奴が普通だと思っているのか? 悪いがそんな奴は私の高校教師生活において君だけだ。それだけでも普通の感性とは言い難いというのに、そんな事をする奴を普通だと思っているなら君の感性は救い難い程ズレているという他ないな」
「それは先生がまだ若いからですよ。俺みたいな人間がそう珍しい筈がない」
先生の年齢は知らないが、見た感じでもまだかなり若い。国語教師なのに白衣をいつも着ている謎のセンスと堂々とした風格の為に、印象としてこそそこそこの年齢と思えるが、実年齢は高く見積もってもアラサー入り口位だろう。教員として働き始めてから5年だと見積もっても、公務員である事を鑑みればまだまだ若手と言ってもいいだろう。そんな先生が俺のようなタイプが初だとしても不思議はない。
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