37:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:39:09.05 ID:BVZ5thB50
「千反田先輩、お別れとかそういうの嫌がりそうじゃないですか」
いずるの言葉で閉じ込めていた疑問が湧いてくる。
「まあ多分、な」
38:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:40:09.87 ID:BVZ5thB50
「なあ、表情とか仕草とか、様子は違ってなかったか」
「んー。私はちょっと…見てないですねー」
「そうか」
39:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:40:52.17 ID:BVZ5thB50
「お前たせしました。さっそく行きましょうか」
千反田、いずる、伊原、里志、俺の順で階段を登っていく。
店員に通され部屋へ入る。
40:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:41:42.66 ID:BVZ5thB50
「注文、取りましょうか」
部屋に入ったいずるはメニューを引っ掴んで、があっと広げた。
大きな吊り目を輝かせメニューを見つめる彼女に伊原と千反田も追随する。
41:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:42:47.54 ID:BVZ5thB50
注文をフロントに伝えさあ誰がトップバッターを務めるのかというとき
手を挙げたのは俺の予想した通り仙道いずるだった。
彼女の選んだのは随分昔の歌で曲名から察するに2000年だろう。
42:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:43:26.14 ID:BVZ5thB50
「ええーっ。なんですかそのリアクションは」
いずるの抗議を里志が笑ってなだめる。
「なんとなくなんだけど、そうじゃないかと思ってたんだよ。普段の言動からさ」
43:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:44:15.99 ID:BVZ5thB50
「では、軽音部も兼部されているんですか?」
思い返せば、いずるが来れない日もあった。
彼女の来れない日は、口実が使えないので俺たちも部室には行けなくなる。
44:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:44:48.47 ID:BVZ5thB50
いずるは片目をつむって指を立て
「わたしは決められたレールの上は走りませんから」
45:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:45:30.40 ID:BVZ5thB50
続いて千反田の番。
高校生のガールズバンドの曲だった。
秋に歌うには少し季節外れで、浴衣姿、打ち明け花火といった夏を連想させる歌詞にはおかしみさえ覚える。
46:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:46:52.25 ID:BVZ5thB50
と、ジュースを早いペースで飲み続けていたせいか雉を撃ちたくなった。
が、これから歌う人間からすれば自分の番で席を外されるのは気分がよくないかもしれない。
そう考えたがいらぬ心配のようだ。伊原の番らしい。
47:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:48:31.90 ID:BVZ5thB50
声かけて部屋を出る。トイレへ歩を進めながら、
もう一度、いずると話した千反田の意図について考えをめぐらせる。
千反田の表情を見る限り物悲しげな様子は見られないし、雰囲気も和やかなだ。
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