過去ログ - 奉太郎「高く高く、空に昇れば」
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51:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:53:37.08 ID:BVZ5thB50
それからしばらく共通の知り合いの近況を報告し合い、

「じゃあ省エネくん、また今度お話しよ」

ひらひらと手を振って去って行く。
以下略



52:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:54:13.20 ID:BVZ5thB50
真夏の太陽のような笑顔がこちらを向く。俺は問う。

「季節外れの催しものを開くのはどんな事情があると思う?」

人差し指を口元にあてて、目線は虚空をさまよっている。質問が分かりにくかったか。
以下略



53:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:54:45.04 ID:BVZ5thB50
「省エネくん、それ頭固いよー」

「教えてくれないか」

「何も卒業だけが別れってわけじゃないでしょ。 人それぞれの別れっていうのがあるはずだよー」
以下略



54:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:55:56.91 ID:BVZ5thB50
週が明け、月曜の放課後。

いつものように部室でのんべりだらd…間違えた。後輩に勉強を教えていた。

そんな折、いずるが手洗いで席を立つ。
以下略



55:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:56:43.21 ID:BVZ5thB50
「ねぇ折木」

伊原がスマホに目を落したまま言う。

「あんたさあ、早く言った方がいいわよ」
以下略



56:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:57:53.31 ID:BVZ5thB50
「私はあんたのこと正直どうでもいいけど。 でも三年間近くも一緒にいるんだから嫌でも気付くわよ。
部活にきたらちーちゃんに目が行ってるの、知ってるんだからね」

「そうか」

以下略



57:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 11:58:45.36 ID:BVZ5thB50
「あ、そうだ折木」

覗き込むように、ひょっこりと顔だけをこちらへ見せ、

「なんかあったら言いなさいよ。その、あたしにできる範囲なら手伝うから」
以下略



58:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:00:01.15 ID:BVZ5thB50
三年にあがり、古典部は変わったんだとデータベースは評していた。

その中でもっとも変わったのはあの二人の関係性だと思う。

カラオケでのたまたま垣間見えたのだ。会計の時にだした里志の財布に避妊具が入っていたことを。 
以下略



59:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:01:22.31 ID:BVZ5thB50
翌日。午前の授業を上の空でこなし昼休み。

大混雑する生徒に混じってなんとか弁当を手に入れると、飲み物でも買おうかと自販機へ向かった。

そこでも列ができあがっていて、俺は軽く足を踏み鳴らす。
以下略



60:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:02:51.50 ID:BVZ5thB50
ジュースを買い終えた二人は列から離脱し、中庭の方向へと歩き出す。

真相を知りたい俺は彼らの後を辿って行った。やめろ、と脳裏から声がする。

それでもつけていったのは心のどこかで杞憂で終わることを期待していたからかもしれない。
以下略



61:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 12:03:51.47 ID:BVZ5thB50
その一つに二人隣り合っては座った。向こうに気付かれないよう

携帯を確認するフリをして横目で彼らを垣間見る。
 
時折、肌寒い風が吹きすさぶこの天気を恨めしく思った。
以下略



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