過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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139:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:20:10.79 ID:UuQpesv2o
「では部活が終わったら買いに行きましょうか。いいわね比企谷君」
「なんか、あれか。断る権利はない的なやつ?」
「そういうことよ」
140:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:21:15.85 ID:UuQpesv2o
「いやお前さっき経費は無理つってたろ」
ヒッキーはなおも食い下がる。そんなに気にしないでいいのに……律儀だなぁ。
「いーの、あたしがなんとかするから!ね、ゆきのんどこ買いに行く?」
141:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:22:16.70 ID:UuQpesv2o
たとえ簡単に見破られるものだとしても、世の中には優しい嘘だって、望まれてる嘘だってきっとある。
三人の仲がもっと深まって、甘えたりなんでも言い合ったりできるようになれば、そんな嘘は必要なくなるんだろうな。
けど今はまだ、あたしたちにはたまに必要なんだと思う。
142:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:23:24.40 ID:UuQpesv2o
「いや、ここ生徒会室なんで、わたし来てもいいじゃないですか……。先輩つーめーたーいー」
いろはちゃんは当然のようにぶーぶーと甘えた声で文句を言う。
「そもそも甘やかす理由がねぇな」
143:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:24:21.43 ID:UuQpesv2o
「やー、それは他のマネにお任せで……。わたしは葉山先輩にタオル渡す仕事なんで」
「隼人くん限定なんだ……」
横を見るとゆきのんはこめかみを押さえて俯きながら溜め息をついていた。その気持ち、ちょっとわかるよ、うん。
144:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:26:07.99 ID:UuQpesv2o
「ありがと、もらうよー」
「ん。頼む」
あたしとヒッキーがそれぞれ入れ物を差し出して紅茶を注いでもらう。
145:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:27:17.49 ID:UuQpesv2o
幸い紙コップは倒れていないが、ヒッキーは手を離して紅茶のかかった場所にふーふーと息を吹き掛けている。
「ああっ、ごめんなさい比企谷君。火傷していないかしら。どこにかかったの?冷やさないと……」
ゆきのんはヒッキーの手を取って自分の目の前にやり、心配そうな瞳でおろおろと何をすべきか迷っている。
146:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:28:03.37 ID:UuQpesv2o
「う、いや、そんな酷くないから大丈夫。心配いらん。それよりちょっと、もう離して……」
「え?あっ。ご、ごめんなさい。つい慌ててしまって……」
ゆきのんはパッと手を離すと、頬を赤く染めて俯いてしまった。
147:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:29:18.53 ID:UuQpesv2o
やっぱりそうだ。きっと前みたいな勘違いじゃない。
もうひとつ、あたしが変わったと思ってること。
それは、ゆきのんのヒッキーへの態度。そして、彼を見つめるその目。
148:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/06(月) 22:30:17.31 ID:UuQpesv2o
ここまで
まだまだ続きそうです
よろしければ是非お付き合いを
149:名無しNIPPER[sage]
2015/07/06(月) 22:33:53.98 ID:h32uI0lHo
お疲れ様
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