過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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447:名無しNIPPER[sage]
2015/08/10(月) 13:13:35.49 ID:3q9LfLs3O
その中で最初に反応したのは比企谷君だった。

「あー、確かに役職はないんで俺は適当ですけど。雪ノ下は役職の通りしっかりやってると思いますよ」

彼も姉さんのことは苦手なのだろう、事務的で、意図的に感情をこめていないような話し方だった。姉の態度が作り物であることを一目で見抜ける彼であれば当然だ。
以下略



448:名無しNIPPER[sage]
2015/08/10(月) 13:14:48.33 ID:3q9LfLs3O
「俺も補佐だけで任せきりだけど、問題ないんじゃないですか」

葉山君が比企谷君に続いて言葉を補強した。

「ふーん、そうなんだ。やるねー雪乃ちゃん」
以下略



449:名無しNIPPER[sage]
2015/08/10(月) 13:17:54.06 ID:3q9LfLs3O
「もう私たちも作業を終わりにしてあがるところだから、楽しいことなんか何もないわよ」

「ありゃ、やっぱそうなんだ。さっき海浜高校?の人たちとすれ違ったから終わりかなーとは思ってたんだよね」

「残念ね」
以下略



450:名無しNIPPER[sage]
2015/08/10(月) 13:18:47.79 ID:3q9LfLs3O
今の私の体たらくを姉さんに知られると何を言われるかわからない。できるなら早急にお帰り願いたいが、終わるまで居座ることを決めたようだ。

こうなったら私がどう言おうと無駄なことはわかっている。だからせめて、なるべく相手にしないようにしよう。

姉さんは放っておくことにして、やりかけていた作業に没頭することにした。負い目というか、自覚があるから今は特に、姉さんと話をしたくなかった。
以下略



451:名無しNIPPER[sage]
2015/08/10(月) 13:19:51.44 ID:3q9LfLs3O
さっきまでの会話を聞く限り、なんだかよくわからないけど城廻先輩とも知り合いみたいだし、うちの学校の卒業生なのかもしれない。もしかしたら生徒会にも入ってたのかな?

それなら今思ったような失礼なことは言えないし、不遜な態度で接するわけにはいかない。愛想のいいわたしをちゃんと作らないと。

「書記の一色いろはです。あのー、雪ノ下先輩のお姉さんですか?」
以下略



452:名無しNIPPER[sage]
2015/08/10(月) 13:23:10.31 ID:3q9LfLs3O
でもよく見ると、目鼻立ちや艶やかな黒髪にはよく似た品のある美しさを感じる。雪ノ下先輩とタイプは違うのかもしれないが、とても綺麗な人だ。

でも胸部のあたりが、その……雪ノ下先輩と明らかに違う。

雪ノ下先輩のその部分にわたしは唯一親近感があったのに。この人は結衣先輩寄りだ。……いや、全然悔しくなんかないですけど。ほんとですよ?
以下略



453:名無しNIPPER[sage]
2015/08/10(月) 13:23:51.21 ID:3q9LfLs3O
わたしには兄弟も姉妹もいないからよくわからないけど、姉妹ってあんなもんなんですかね?

「どうー?いろはちゃん、雪乃ちゃんの生徒会長は」

はるさん先輩は頬杖をつきながら、さっき先輩たちにも聞いたことをわたしにも尋ねた。
以下略



454:名無しNIPPER[sage]
2015/08/10(月) 13:25:19.59 ID:3q9LfLs3O
はるさん先輩はわたしの前にあるノートPCの画面に目を向けていた。そういえば議事録が開きっぱなしになっている。

「あ、今日の議事録です」

「ふーん……。ね、ちょっと見せてくれない?」
以下略



455:名無しNIPPER[sage]
2015/08/10(月) 13:26:03.75 ID:3q9LfLs3O
息が詰まるような錯覚を覚えた。とても冷たくて重い、たった一言。

有無を言わさぬその物言いに返事も出来ず固まっていると、その間にはるさん先輩はノートPCの画面を自分の方へ向けて読み始めた。

「ほー。へー。ふーん」
以下略



456:名無しNIPPER[sage]
2015/08/10(月) 13:26:56.75 ID:3q9LfLs3O
「姉さん、せめて邪魔はしないでもらえる?」

雪ノ下先輩が鋭い目をはるさん先輩に向けた。けどはるさん先輩はそれをものともせず、というかまるっきり無視して先輩に話しかけた。

「比企谷くん……。最高だよ、やっぱり君は面白いねー。雪乃ちゃんにはもったいないよ」
以下略



457:名無しNIPPER[sage]
2015/08/10(月) 13:27:34.89 ID:3q9LfLs3O
「なんすかそれ……。過大評価ですよ、どう考えても」

「まあねー、みんなにわかられても面白くないし、そのままでもいいかなー」

「はぁ。そうですか」
以下略



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