過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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540:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:11:09.15 ID:k1AwEidto
でも、それはまだ、雪ノ下から失われてはいない。だったら、俺は失望などしていないはずだ。
「して、ないと思う。俺はもう、お前に完璧さなんか求めてない。今のお前を、否定するつもりはない」
「複雑ね……。期待されていないということかしら」
541:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:12:01.44 ID:k1AwEidto
言葉なしには伝えられず、言葉があるから間違える。だったら俺は何がわかって、何をわかってもらえるというんだ。
「ごめんなさい。やっぱり今はまだ、自信が持てないわ……」
雪ノ下は諦めたように、俺の無言に対し返事をしてくれた。
542:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:12:48.06 ID:k1AwEidto
「やっはろー、ゆきのん、ヒッキー」
「こんにちはー」
「やあ」
543:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:13:33.42 ID:k1AwEidto
役職がない俺をみんな無意識に疎外してるのか?んなわけねぇな。被害妄想いくない。
雪ノ下は紅茶を注ぎ終わり席につくと、駄弁り始めた由比ヶ浜と一色をよそに、また机の上に視線を固定して考え事をし始めた。
外は昨日の夜から雨が降り続けている。雪ノ下は陽乃さんに言われた言葉をどんな気持ちで受け止め、雨に打たれて帰ったのだろうか。
544:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:14:19.01 ID:k1AwEidto
今日からは小学生が参加になる。お守りは葉山が引き受けたと聞いているから、おそらく俺はあまり関わらないだろう。
林間学校でも感じたが、俺は多数の小学生にすこぶる受けが悪いからきっとそのほうがいい。
その後にはまた進まない会議のための会議が待っていることがわかっているからか、それとも鬱陶しい雨のせいか、皆の足取りは一様に重かった。
545:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:14:59.77 ID:k1AwEidto
「今さらなんですけど、ちょっと聞きたいことが……」
「な、なんだよ」
「この前、葉山先輩と先輩の知り合いのあの女と、なんか話してましたよね。あれなんだったんです?」
546:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:15:55.92 ID:k1AwEidto
「ちょっと、一遍に聞かれても答えられねぇんだけど……。あれはデートじゃないし、あの後気まずい別れ方になったから謝ったり、まぁいろいろだ」
「はぁ。あれはデートにしか見えませんでしたけど……まあいいです。それで先輩、何やらかしたんですか?許してもらえました?」
「なんで自然に俺が謝ったことになってるわけ?俺はなんもしてねぇよ。詳しいことは葉山に聞いてくれ、俺はあんま関係ないし」
547:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:16:56.60 ID:k1AwEidto
「なんで浮かない顔してんだ。喧嘩でもしたのか?」
「するわけないじゃないですか。葉山先輩だと喧嘩にもなりませんよ、絶対。そうじゃなくて、わたしのこと誘っておいてなんか上の空っていうかー、あんまり元気なかったんですよ」
雪ノ下も今日になって上の空だったが、関係あるんだろうか。あの二人の共通点と、昨日あった特殊な出来事。それを考えると、あるとしたら原因は高確率で陽乃さんだ。
548:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:17:57.05 ID:k1AwEidto
「なるほどー。どうでもいいんですけど参考になるかもなので一応聞きますが、ちなみに先輩は疲れてるとき何してほしいですか?」
どうでもいいんなら聞くなよと思うが、それは口にしたら駄目なんだろうな。もう学んだぞ、俺は。
「俺は……一人にしてほしいかな」
549:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/24(月) 23:18:49.10 ID:k1AwEidto
由比ヶ浜からの、最初の依頼。あのときは俺が屁理屈をこねてうやむやにしてしまったが、その後目的は果たされたのだろうか。
痛くはないけど、鼓動が少し早くなって苦しくなった。
「…………ああ、効くな。俺には特に」
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