過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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637:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:32:25.69 ID:Sv+8YbD5o
「それはみんなで解決していこうよ。そのための会議なんだから」

もう何度同じようなやり取りを繰り返しただろうか。

ふーっと溜め息をついて横を見ると、由比ヶ浜はハラハラしたような顔で雪ノ下を眺めている。
以下略



638:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:33:16.67 ID:Sv+8YbD5o
そんなことをすれば総武高校生徒会の、ひいては総武高校の悪評に繋がりかねない。

「これはフラッシュアイデアなんだけど二つプログラムを作るのであれば、二つの高校を混ぜて2グループ作るとか、そういうソリューションもあるんじゃないかな……」

「だからそういうのはもう時間が……。…………私たちはもう、演劇を単独でやれるだけの準備ができているの。足りない時間の中で無理矢理足並みを揃えて折衷案を実行したところで、良いものができるとは私は思えないわ」
以下略



639:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:34:30.19 ID:Sv+8YbD5o
「時間のことだったら今から新しい企画を走らせるより、元の一つに絞ってみんなで協力したほうが効率がいいし、コスパもよくなるんじゃないかな」

そうして議論がまた逆戻りしていく。……駄目か。これじゃ埒が明かねぇな。もういい加減決めようぜ、玉縄。

生徒会メンバーとはいえ、役職もなく生徒会長より間違いなく責任のない、末端の俺ならもう少し言えることもある。
以下略



640:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:35:39.21 ID:Sv+8YbD5o
そうだな玉縄。けどな、もう見えてる問題から目を逸らすことはしたくないんだ。

手遅れになってから誰かのせいにするとか、最終的に台無しにしてしまうとか、もうしたくないんだよ、俺は。

「……違うな。失敗したとき誰かのせいにして、全員のせいにして責任を分散させたら楽だからだろ。このまま誰も何も選ばずになあなあで本番を迎えて、みんなが決めたことだからって痛みを分け合う。そんなの、偽物だ」
以下略



641:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:36:42.77 ID:Sv+8YbD5o
これでも駄目なのかと、次の矢を放つため頭を働かせていると、これまで発言のなかった人間が静かに口を開いた。

「……もう、そういうのはやめにしないか」

大きい声ではなかったのに、場がしんと静まり返った。声の主はなおも話し続ける。
以下略



642:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:38:38.33 ID:Sv+8YbD5o
「責任も取らず、決定的には何も選ばず結果だけ得るなんて、そんな虫のいい話はないよ。そんなことをしたって後には罪悪感しか残らない。あのときああしておけば、こうしておけばってね」

葉山は唇を噛み締めながら目を伏せ、まるで自らがそう後悔しているかのような顔をしていた。

だが、すっと顔をあげて目を見開き、迷いのない表情で前を向いた。
以下略



643:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:39:46.23 ID:Sv+8YbD5o
誰もが迂闊に口を開けず静寂が続くと思われたが、最初に話し始めたのは意外な、けれどそうなるかもしれないなとも考えていた人物だった。

「あのー、ちょっと難しそうだしさ、無理に一緒にやるより二回楽しんでもらえるって思った方がよくない?それぞれの学校の個性とか出るしさ」

由比ヶ浜が生まれた空白を埋めるように努めて明るく、未だ呆然としている出席者に水を向ける。
以下略



644:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:40:40.83 ID:Sv+8YbD5o
「え、あ、うん?いいん……じゃないかな?」

不意打ちの問いかけに反射的に答えてしまったのか、折本は肯定してしまう。由比ヶ浜はさらに続けて玉縄へと話を振った。

「だよねー。玉縄くん、どう、かな?」
以下略



645:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:41:52.14 ID:Sv+8YbD5o
誇っていいと思うぞ。誰もが同じようにできることじゃないんだから。


一一一

以下略



646:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/06(日) 16:42:55.14 ID:Sv+8YbD5o
葉山は何事もなかったかのようにあっけらかんと言ってのけた。そりゃ仕事しろとは言ったけどよ、お前ならもっと、こう……なんかあるだろ。

「はぁ?お前聞いてなかったのか?あんな言い方したら雪ノ下もこれからやりにくくなんだろうが」

「聞いてるよ、そこら辺はなんとかするさ。君が俺の何を非難してるのか知らないけど、今怒られてるのは比企谷もだからな?」
以下略



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