過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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782:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/02(金) 12:47:35.22 ID:eNgRSOWAO
「先輩こそなんでこんなところに来たんですか?」

きっとあの後、いくつかの話が続いてから先輩だけがここに来たのだろう。最終的にどうなったかなんてわたしには全然想像もつかない。

「ちょっと、頭冷やそうかと思ってな……」
以下略



783:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/02(金) 12:49:26.85 ID:eNgRSOWAO
「そうですか……」

「ああ……」

二人並んで沈みゆく太陽を眺める。さっきはここにいる理由を誤魔化したくて言ったことなんだけど、改めて眺めてみるとほんとにキレイだ。
以下略



784:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/02(金) 12:50:14.15 ID:eNgRSOWAO
「なんで他人事なんですか。先輩のおかげでもあるんですよ?」

「俺は別に、なぁ。俺じゃなくてもやれることしかやってねぇからな」

「いいえ、そんなことないです。そもそもなんですが先輩がいないと、この生徒会のメンバーになってませんから」
以下略



785:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/02(金) 12:51:00.68 ID:eNgRSOWAO
先輩がわたしに生徒会長にならずに済むって言いにきたとき、そうしようかなって考えが頭に浮かんだ。

奉仕部がなくなるって、生徒会に移るって聞いて、わたしもその中に入れるのかなって思った。

「はー、そうなの……」
以下略



786:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/02(金) 12:52:15.30 ID:eNgRSOWAO
「ちょっと、最後に台無しになるようなこと言いませんでした?」

「やー、それが本音なんだな」

先輩は悪びれることもなくろくでもない真実を語った。わたしのことを信じてくれてるのかも、とか思ったのに……。
以下略



787:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/02(金) 12:53:18.89 ID:eNgRSOWAO
嬉しくて仕方がなくて、顔がニヤけてしまいそうになったけど必死に押しとどめた。

「……まぁ俺はどこまで行っても俺だからな。俺にしかならねぇよ」

「……そうですね」
以下略



788:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/02(金) 12:53:52.37 ID:eNgRSOWAO
「結衣先輩と、雪ノ下先輩のことです」

先輩が驚いた顔でわたしを見つめる。わたし自信も驚きたい気分だ。これを聞いてわたしはどうしたいんだろう。

確認したって自分が傷つくことになるのはわかってるのに。
以下略



789:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/02(金) 12:55:04.18 ID:eNgRSOWAO
なんでわたしは後押しするような、焚き付けるようなことをしてるんだろう。こんなことしたいんじゃなくて、外堀を徐々に埋めていくように慎重に近づいていきたいのに。

わたしはもっと周到で狡猾で、駆け引きも計算も上手だとか、そんな風に思ってたのに。こんなの、全然わたしらしくない。先輩たちと話すと、全然わたしの思うようにできなくなる。

……そっか。他人と真剣に向き合うって、計算とか打算でやれることじゃないんだ。
以下略



790:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/02(金) 12:56:00.69 ID:eNgRSOWAO
「わかんないですかねー?わかりやすい人もいると思うんですけど」

「……俺は過去にそうやって何度もまちがってきたんだよ。勘違いを繰り返して、その度に嫌んなるほど後悔して、それでもう期待すんのはやめたんだ」

先輩は自分を責めるように唇を歪めながら話す。
以下略



791:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/02(金) 12:56:53.96 ID:eNgRSOWAO
今先輩のためにわたしが何かできるとしたら、それしかない。

「なるほど。自己防衛のためなんですね、それは」

「ま、ただの腐った予防線、言い訳だ。それはもうしない。あとは……」
以下略



792:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/02(金) 12:57:51.05 ID:eNgRSOWAO
先輩は言われた通りに黙って目を閉じて立っている。えぇー……なんか、無防備だなぁ。根はスゴい素直なのかな。

「まだか?」

いけない、早く済ませちゃおう。
以下略



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