過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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811:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:30:18.61 ID:aeWauGybo


空中廊下で一色と会話をしてから恐る恐る生徒会室に戻ると、雪ノ下と由比ヶ浜はいつものように俺を迎えてくれた。

二人の腫らした目だけがいつも通りじゃなかった。胸の痛みを飲み込んで、申し訳ないと心の中でだけ謝っておいた。
以下略



812:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:31:21.71 ID:aeWauGybo
だから俺はこのことに関して、口に出して謝るつもりはない。俺が今やるべきことはそんなことじゃない。

ただ、こんな状況を終わらせる責任はもちろん俺にある。このままの状態を長く続けるつもりもないから、早目に行動しないとな。

そんなことを考えているうちに葉山が、そして一色が戻り現在に至る。
以下略



813:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:32:52.35 ID:aeWauGybo
言いたいことを全て言えていなかったとしても、とても心地好い。そう感じてしまうほどにこの部屋は暖かかった。

しばしの間、終わってしまったイベントについての歓談と生徒会執行部としての後始末を続け、時間もいい頃になると雪ノ下が軽い咳払いをして口を開いた。

「それでは……どうしましょうか。このまま解散でいい?」
以下略



814:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:34:31.45 ID:aeWauGybo
「いや、俺もう今日は帰りたいんだけど。用事もあるし」

といっても、ちょっとしたものとチキンを買って帰って小町と食うだけなんだけど。だけ、とはいえ俺にとっては結構重大な行事である。

「えぇ!?先輩、クリスマスに用事あるんですか!?」
以下略



815:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:36:07.19 ID:aeWauGybo
「いや、別にないけど……」

「でも、私もさすがに疲れたわ。申し訳ないのだけれど、今日はゆっくり休ませてもらえないかしら……」

雪ノ下はこめかみに手を当てて長い息を吐いた。うたた寝するほど寝不足気味だったみたいだしなぁ。
以下略



816:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:37:09.98 ID:aeWauGybo
「隼人くんは?」

「俺は、ちょっと……。どうするかな……」

だが最後の葉山だけは口ごもって言葉を濁した。裏切り者……じゃないよな、こいつは。家族との用事とかじゃなければ、どうせいらんこと考えてるんだろ。
以下略



817:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:39:08.85 ID:aeWauGybo
「用があるんならいいけどよ。別にないならせっかくだし、……その、なんだ。生徒会の打ち上げって名目なら別に角も立たねぇだろ。クリスマスなのはたまたま、偶然だ」

きっと葉山はクリスマスに特定の誰かと過ごすのを躊躇っているのだと、勝手に決めつけてフォローしてみた。

こいつがそういうことやっているのは、噂とか教室内で聞こえてくる会話でなんとなく知っている。
以下略



818:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:40:22.72 ID:aeWauGybo
「んー、よく考えてなかったけど……あんまし街中じゃないほうがよかったりする?」

「我儘言うようだけど、できれば。あんまり知り合いと会いたくはない、かな」

「うーん、どうしようか?」
以下略



819:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:41:42.87 ID:aeWauGybo
「え、ゆきのんいいの?」

意外な提案に葉山と由比ヶ浜が同時に確認を取ろうとした。そう問いたいのは当然俺もなので、さぞや怪訝な顔をしていることだろう。

「……ええ、あなたたちなら構わないわよ。迷惑になるほど騒がしい人や場をわきまえない人はいないことだし。葉山君もそれならいいでしょう?」
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820:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/07(水) 01:43:04.31 ID:aeWauGybo
「……そうか。なら、お邪魔させてもらうかな」

「あのー、雪ノ下先輩のおうちってどんなんです?勝手なイメージなんですけど超広そうですよね」

「広いよー、超キレイな高層マンションだし!しかも一人暮らしだよ!」
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