132: ◆jSMhOnCsDM[saga]
2015/07/21(火) 23:41:31.66 ID:rkG+liIa0
思い切って閉じていた目を開くと、そこには提督ではなく、ただただ暗く映し出された私室の天井があるだけ。重くて今にも落ちてきそう。やはり夢は夢でしかなかったのです。
でも、どうして私はこんなに暗くて、面白みもなくて、無機質で、何よりも提督のいない部屋に閉じ籠っているのでしょうか?
眠るときに提督のお傍に居ることができるのは秘書の特権……。
不知火ちゃんにはそう教えられたのに、私は私室に籠ったまま。よく考えれば閉じ籠っている理由などありません。なぜここに居るのでしょう?今すぐ提督のお傍に行けば、きっと寝ているか、そうでなくとも受け入れてくれるはず。
でも体が動かない。どういうわけだか動かない。
頭では動こうとしても、体が付いて行きたがらず、いつまでも駄々をこねているみたい。
体は提督を覚えている筈で、忘れることなんてないのに。
提督の匂い。
触れた感じ。
声。
手の大きさも、顔も。
そして、
提督の味も。
五感で鮮明に呼び出すことができる。いま想像すれば、すぐにでも目の前に提督が現れそう。
脳は提督のもとへ向かっているし、身体も提督を求めているのに……。どうして動かないの?
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