681: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:24:35.96 ID:O1rXuCk8O
◇
『……出たぞ』
682: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:25:09.84 ID:O1rXuCk8O
赤城《……与太話に耳を貸す必要は、ありませんね》
そんな余裕もありませんし、と。
そう考える赤城の掌には水平器が載っている。
683: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:25:50.92 ID:O1rXuCk8O
◇
叱責されたあの日から。
嵐は長く続いている。
684: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:26:38.86 ID:O1rXuCk8O
本当に限界まで追い込まれたのか?
ーーそんな事は、無い。
怒る余裕が、あった。
685: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:27:15.99 ID:O1rXuCk8O
同時に、そこは艦娘の居て良い場所では無いと。
わかった。
いつから、辛いなんて感情を持ったのだろう。
686: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:27:49.04 ID:O1rXuCk8O
なのに。
赤城は。
知ってはいけない事を知り、手に入らない筈の物に手が届きそうになっていた。
授けられたのだ。
687: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:28:22.03 ID:O1rXuCk8O
光を知った蟲の如く。
赤城は光の方へ這うしかない。
例え、死ぬ事になっても。
例え、その光に殺されても。
死ぬまで、蠢く。
688: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:28:54.48 ID:O1rXuCk8O
◇
嵐の止む気配は無い。
だからこそ。
689: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:30:53.88 ID:O1rXuCk8O
土砂降りと剛風の中、手を前に突き出したまま赤城は島の外周を走る。
例え砂浜に足を取られそうになっても、腕は水平に保つ。
土砂降りと剛風の中、赤城は下半身だけ海に浸かった。
690: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2016/04/28(木) 23:31:21.36 ID:O1rXuCk8O
◇
その行為は何日も何日も連続し。
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