2:オータ ◆aTPuZgTcsQ
2015/07/04(土) 14:17:52.02 ID:kHvSRcn3O
ひんやりと冷たいフローリングに、足を下ろす。
素足でぺたぺたと歩く俺は、彼女を連れて自宅に帰ってきていた。
そういえば、彼女は靴を脱いだのだろうか。
見てみると、白い華奢な足が作業服の下にのぞいている。
そっと振り返ると、玄関には真っ白な靴が並べられていた。
「まずは、甘いコーヒーを飲みましょう。
そして、ゆっくり布団で寝てください」
「その前に、一応聞かせてください。
あなたはなんなんですか?」
「私は宇宙人です。惑星D375と呼ばれている星から来ました」
「聞いたこともないですね」
「B612の王子のことはご存じでしょう。
私はあの方とお話ししたことがあります」
「そうですか。それは羨ましい」
俺はヘラヘラ笑いながら彼女を見た。
彼女は宇宙人らしく、感情を一切感じさせなかった。
このまま会話をしてもよかったのだが、俺はとても疲れていたので、彼女の指示に従ってコーヒーを飲んだ。
「コーヒーは、眠れなくなる飲み物なんですよ」
「でも、あなたが好きな飲み物でしょう」
砂糖とミルクをたっぷり入れて、甘ったるくなったコーヒーをゆっくりと飲み干した。
ブラウンのなめらかな長座布団を布団として使っていたので、いつも通り足を思いっきりはみ出させながら、俺は枕に頭を預けた。
「おやすみなさい」
すぐ隣から人の声が響く。
いや、今のところ人かどうかも分からない。
けれど、俺はぼんやりと目を閉じた。
コーヒーが夢のふちで、俺を現実に引き戻すのを諦めたようだった。
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