7:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2015/07/04(土) 14:22:57.54 ID:kHvSRcn3O
また、鍵を二つ開けて玄関で靴を脱ぐ。
出迎えた彼女は、やっぱり真っ白だった。
「ご飯が出来てますよ」
いつの隙に用意したのだろう。
しかし、そんなことはどうでもいい。
俺は親子丼を平らげた。
味はうまくもなく、まずくもなく、とてもどうでもよかった。
「あまりちゃんとしたものを作らないでくれますかね。お金がないんですよ。
言っても無駄だろうけれど」
彼女はなにも答えず、甘ったるいコーヒーを差し出した。
俺はぼんやりとそれを飲みながら、彼女の赤い唇を見た。
口紅でも塗っているのか、白い肌に差し色のような赤さがくっきりと浮かんでいた。
キスでもしてみようかと思い、俺は彼女を捕まえた。
しかし、顔は変わらず無表情のままで、俺は馬鹿馬鹿しくなって手を離した。
彼女は何事もなかったかのように、窓の外を眺めていた。
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