過去ログ - 万里花を愛でるニセコイSS「アンミン」
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名無しNIPPER
2015/07/08(水) 00:25:50.72 ID:34pzihRt0
「それはビーハイブ薬品開発部が開発した新型の睡眠薬でな。枕などの寝具に一吹きしておけば、それを使った時に一瞬で眠りに落ちることができるという薬品だ。長期戦が予想される任務などで作戦効率を画期的に向上させる効果が期待されているのだが、うっかり今回の任務に出る時に屋敷に忘れてしまったのだ。私が戻るまで、くれぐれも紛失しないように気をつけてくれ」
クロードからの電話を切ったあと、鶇が事情をかいつまんで説明をする。
「ま、またその手のアイテムかよ……」
以前、キスしなければ目覚めない睡眠薬なる珍妙な薬品で騒動になったことを、楽は思い返していた。
ただし今回は枕に吹きかけることですぐに眠れる睡眠薬、ということなので、以前に比べれば実害は少ないように思える。
実際、楽の腕から身体を離すと、万里花はすぐに目を覚ましたのだ。楽に触れさえしなければ、薬の効果は発生しない。
「つぐみさん、ちょっとその薬品を私の膝にかけていただけませんでしょうか?」
万里花がとても良い笑顔で提案する。
「な、何故だ?」
「楽様を膝枕して差し上げようかと」
「しねえよ! 鶇もさっさとそれを鞄の中にでもしまっとけって!」
これ以上事態がややこしくならないように、楽は鶇に容器を片付けさせることにした。
「というわけで、橘、今日一日はくっついてくるの禁止な」
「楽様のいけずー。私、楽様の腕の中なら、恋でも眠りでも地獄にでも、大喜びで落ちますのに」
にじり寄ろうとする万里花を鶇が抑え込む。これでどうにかこれ以上の騒動にはならずに済みそうだ。
ふう、と楽がため息を漏らすと同時に、始業を告げるベルが鳴った。
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