12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/10(金) 00:42:58.68 ID:dTPiuG0Wo
「そう長くは降らないと思う」
「夕立みたいだから、それはそうかもしれないけれど」
地面に点が少しずつ増えていく。
点と点が重なって、繋がって、色を少しずつ変えていく。
ぽつぽつ、さあさあと音を変えて、あたりを少しずつ濡らしていく。
「このまま家に帰るのも億劫だから、雨宿りをしたい」
「そ、そうね……この辺りで、屋根のある所だと」巴マミはやや混乱したように考え込む。
この公園から私の家まで戻るには、やや遠い。
だから代わりに、もう少し近い所。
「迷惑じゃなければ、あなたの家の軒下を貸してくれないかしら」
驚いたように巴マミの顔が上がった。
雨はもう線になって、私たちの身体を叩いている。
あの子もきっと、そう言っただろう。
そこにはきっと、巴マミの同居人がいるのだから。
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