過去ログ - 【安価】あなたはスクールアイドルになってもいいし、ならなくてもいい
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151: ◆Wx.aqWgC92[sage]
2015/07/21(火) 00:18:47.42 ID:eLoUBmPSo
「それで、おばさんとおじさんはそれでいいって?」
「ええ。姉さんがどう説得したのかはわかりませんが、少なくとも、私の稽古の量が減ったのは間違いありません」
 ことりの家で行われた勉強会。その帰り道、私は穂乃果に向かって、自分でも把握して切れていない心情を吐露していた。
 私は、姉に対してどう対応すればいいのかわからなくなっている。長い間会っていなかったのもあるけれど、姉は今まで家督について言及したことがなかった。
 気づけば私が継ぐことになっていた。姉が何を考えどう思っていたのか、それを知る前に姉は私の前からいなくなった。
以下略



152: ◆Wx.aqWgC92[sage]
2015/07/21(火) 00:19:14.01 ID:eLoUBmPSo

 気づけば姉の部屋の前で躊躇っている。いつもこうだ。
 私には、前に進む勇気がない。誰かに引っ張ってもらわなければ歩くことさえできやしない。
 一人で前を向くことすらかなわない。私は、どうしようもなく子供なのだ。
「……はぁ」
以下略



153: ◆Wx.aqWgC92[sage]
2015/07/21(火) 00:20:24.59 ID:eLoUBmPSo
 沈黙が場を支配する。何を口にすればいいのかがわからない。
 聞きたいこと、いいたいことは山ほどあるのに、脳が出力を拒否している。
「海未ちゃんはさ、高校卒業したらどうするの」
 不意に姉が口を開いた。
「……大学へ行くつもりでしたが」
以下略



154: ◆Wx.aqWgC92[sage]
2015/07/21(火) 00:21:10.09 ID:eLoUBmPSo
 私のやりたいこと。私の夢。
 そういえば、と皆の顔を思い浮かべる。皆の夢は、いったいどんなものなのだろう。
 ことりは服飾関係に進むといっていた。にこはアイドルになるといい、そして実際にアイドルプロダクションに所属し始めた。
 凛や花陽をどうなんだろう。花陽はアイドルに憧れていたはずだ。アイドルになりたいという願望がないわけではないだろう。
 真姫は、穂乃果はどうだろう。二人は、私と似たような立場にある。真姫は病院を、穂乃果は穂むらを。
以下略



155: ◆Wx.aqWgC92[sage]
2015/07/21(火) 00:22:25.36 ID:eLoUBmPSo

「病院を継ぐのか、ですって?」
「ええ、少し、気になりまして」
「……まぁ、継ぐんじゃないかしら。親の期待っていうのも、理解できなくはないし」
「そうですか」
以下略



156: ◆Wx.aqWgC92[sage]
2015/07/21(火) 00:23:26.74 ID:eLoUBmPSo
「悩んでいるのですか?」
「そんな感じかなぁ」
「少し、意外です。あなたなら穂むらを継ぐと、そういいそうだったのに」
「ちょっと前までは、穂むらを継ごうと思ってたよ。でも、お父さんにね」
「何かいわれたのですか?」
以下略



157: ◆Wx.aqWgC92[sage]
2015/07/21(火) 00:24:06.20 ID:eLoUBmPSo
 二人は二人なりに、自分の将来について考えている。きっと、花陽と凛も。希や絵里も、ことりやにこだって考えているのだろう。
 私も、考えなくてはならない。いつまでも誰かに引っ張ってもらうだけではいけないのだ。
 私のできること。私のしたいこと。


158: ◆Wx.aqWgC92[sage]
2015/07/21(火) 00:24:48.42 ID:eLoUBmPSo
「いい天気、ですね」
 私は東京を離れ、一人山に登っていた。といっても、観光用に整備された歩道を通っているだけなのでそれほど疲労はない。
 山はいい。一人なのに、孤独ではない不思議な感じ。考え事をするには最適だ。
 なんとなくだが、自分のすべきことはわかった気がする。
 大したことじゃない。あまり気負わずに、いろんなことをやればいいだけだ。
以下略



159: ◆Wx.aqWgC92[sage]
2015/07/21(火) 00:25:57.65 ID:eLoUBmPSo
以上、短編でした

書きたいところが終わるとモチベーションさがってるなぁ


160:名無しNIPPER[sage]
2015/07/21(火) 17:34:39.90 ID:ZWFVgQiao
ハターキ誕生秘話かな


書きたいところ…加入かな?



161: ◆S2utS0Cc0mS/
2015/07/22(水) 01:09:39.07 ID:/3cFzfmqo
真姫「控えめに言って、物凄く酷いわ」

――…………

真姫「小学生の方がいくらかマシってところね」
以下略



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