122: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/23(木) 22:02:14.57 ID:Ut9bCkLSo
勇者「……悪かった。僕の、心が……弱くてさ……」
「あの時言ったことは……ぜんぶ、本当で……君が、うらやましかった……」
盗賊「…………」
勇者「君を仲間と、心の底から思えなかった、僕を恨め……」
「悪の心に唆される、弱い僕を憎め……」
盗賊「だから……コインだって言ってるんだ。お前がそうなった様に、俺もそうなるかもしれなかった」
「だけど、安心しろ。お前は……表として、死んで行け。お前に、裏はやっぱり似合わないさ」
勇者「……僕より、真っ当に……君が……表だよ……」
どろり、とダガーの刺し傷から”呪い”が溢れる――それは勇者の身体を駆け巡り、即死の呪いを成就させる。
勇者「とう、ぞ……まだ、おわって……ない、から……な?」
その言葉を最後に、勇者は倒れ込んだ。
どうやら無事、呪いは発動した様だった。例え魔王の魂が張り付いていたとしても、勇者の身体は耐え切れなかったらしい。
盗賊「…………ああ、終わっちゃいないな」
終わっていない。その言葉の通りだった。
盗賊は砕け散ったダガーを捨てて、勇者の亡骸を見下す。
刹那、勇者の身体から夥しい量の瘴気が吹き出す―――そうして瘴気が、魔王を形成する。
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