69: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:33:12.64 ID:IVe03aaio
魔王「鼠よ、身の丈に合わぬ志を抱いた者よ。中々に我を楽しませたぞ―――貴様が、一番優れた道化だったのかもしれんな」
ゆるやかに、盗賊の眼前にもう片方の魔王の手が迫る。
70: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:34:01.65 ID:IVe03aaio
燃える。爛れる。痺れる。熱い。熱い。熱い。
右目が失くなった。吹き飛ばされ、壁に叩きつけられ身体中の骨がバラバラになりそうだった。
それ以上に右目の喪失感と、激痛が盗賊の意識を引き千切ろうとしていた。
71: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:34:29.50 ID:IVe03aaio
盗賊「だ、だから……俺は捨て置け! 勇者と、魔王を……討ってくれ!」
僧侶「………で、でも」
72: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:34:56.26 ID:IVe03aaio
魔王「―――――ちっ、猪口才」
勇者「はああああああ!」
73: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:35:26.84 ID:IVe03aaio
魔王「はあ、はあ……く、くくく、くっくっく! やるではないか塵どもめが」
三人から間合いを取り、魔王は傷ついた身体を撫でる。
これ程までに追い詰められたのは久方ぶりだと、そんな表情を浮かべていた。
74: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:36:00.01 ID:IVe03aaio
魔王「うむ、滑稽だったぞ。勇者……貴様、正しく節操の無い男だ」
「まるで肉欲の塊。くっく! それに溺れる聖職者と、我が魔族の恥さらし!」
勇者「黙れ! この期に及んで、そんな言葉で僕たちを誑かすか!」
75: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:36:32.45 ID:IVe03aaio
魔王「おお、勇者よ。人のモノを取り上げるのは快感であったか?」
勇者「くっ……」
76: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:36:59.24 ID:IVe03aaio
盗賊(………ちっ、此処までか)
――――だが、どうして。
77: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:37:28.44 ID:IVe03aaio
勇者「うああああああああああ!」
勇者の雄叫びと共に、魔王の呼吸孔に聖剣が突き刺さり、魔王を背中から貫いた。
えぐる様に剣を押しこみ、魔王は断末魔の叫びをあげる――――。
78: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:38:12.11 ID:IVe03aaio
――――盗賊は悪夢を見ていた。
自分が、今まで殺した人間に無数の剣で突き刺される。
見れば誰もが勇者の為に殺した魔王信仰者だった。
79: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/20(月) 02:39:22.86 ID:IVe03aaio
他のSSも書いてたりすると手がつかなくなったり
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