過去ログ - 阿良々木暦「ひたぎアピール」
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11: ◆8HmEy52dzA[sage saga]
2015/07/17(金) 21:40:25.81 ID:0XhJBn560

「……そんな事言って、僕が本当にドン引きするような性癖の持ち主だったらどうするつもりだ、戦場ヶ原」

「遺憾ながら前向きに検討します」

「なんだよその灰色回答……」

それに関しては、期待に添えてあげたいところだけれど。

まだ、私には勇気が足りない。

阿良々木くんがあんな下衆野郎と一緒だとは微塵も思ってはいないけれど。

「……例え僕が普通の恋愛では満足できない変態だったとしても――」

「…………」

「それを理由にお前を蔑ろにしたりはしない。命を賭けて誓う」

「……そう」

今日は、それを聞けただけでも良しとしましょう。
発情期の猫じゃあるまいし、若さの特権とは言えがっつくのもよろしくないわよね。

「ありがとう」

「いや、僕の方こそ不安にさせて済まなかった、謝るよ」

「勘違いしないでよね。別に阿良々木くんの事が好きな訳じゃないんだから」

「とっても大事な根底を覆された!」

「阿良々木くん。私は現実主義者だから阿良々木くんが私をどれだけ大切に思っていてくれるのか、言葉にしてもらえるととても嬉しいのだけれど」

「な……」

私は、臆病だ。

蟹に行き遭い、体重を失くした代わりに、心に別のものを次々と身につけて行った。
それは重くのし掛かる。
私自身も動けなくなる程に。

けれど、動けずに周りを威嚇するだけの私を、阿良々木くんが軽くしてくれた。

だから、今からでも少しずつ、下ろしていこう。
不安に懊悩、懸念に後悔。それら全てを身体から下ろして軽くなることが出来たのなら――。

「――す、好きだよ、戦場ヶ原」

「そう。私もよ」

その時は、彼に身を任せてみよう。

それでどうなろうと、私は絶対に後悔なんてしないと、胸を張って言えるから。



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