10: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/07/21(火) 10:57:06.61 ID:7uNH2Jhi0
「あのぉ、本当に私が飛ばして変わるんですか?」
「誰が飛ばしてもいいわけじゃありませんが、大鯨さんになら適正がありますからね」
そんなことない、と言い返せないのが私の現状だった。
私が夕張艦隊にいる理由は三つある。
一つは夕張さんと鳳翔さんのお手伝い。二つ目が潜水艦隊のお世話をすること。
そして最後の三つ目が私の身の振り方を選ぶこと。
このまま大鯨として生きていくのか、それとも龍鳳になるのか。
潜水母艦と空母では役割がまったく違う。そしてはっきりとは言われなかったけど……提督は龍鳳を望んでいる気がする。
でも提督は私に命令しなかった。ただ私に自分で選べと言うだけで。
命令をしてくれたらよかったのに。
それならどんなに嫌な不本意な命令でも受け入れられるのに。
……それって本当に? ううん、きっと違う。
諦めて受け入れるしかない、という言い訳をするだけ。命令だから従うしかないという予防線。
だから提督は私に決めさせようとしている。優しいのか厳しいのか分からなくて。
「っ!」
迷いを乗せたまま放たれた矢が空に向けて飛翔する。
遠くまで飛んだ矢は零戦に変わらないまま海面に落ちてしまう。
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