過去ログ - 提督「この世界にいらないもの?」
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22:名無しNIPPER[saga]
2015/07/27(月) 15:47:43.47 ID:NYc+OQMZ0
季節は秋。クリスマスまで猶予はある。編み物は大変かもしれないが、少し不格好でも許してくれるだろうと時雨は考えた。時雨は今回の失敗を生かし、今度は他のみんなにも手伝ってもらおうと考えた。
やり方がわからなくて行き詰まった時は間宮や鳳翔、金剛といったそういうのに詳しそうな艦娘のもとを訪れた。金剛に関して言えば、編み物に詳しそうというより、「今年のクリスマスはこちらがこうした手作りマフラーをプレゼントするつもりだ。同じもの作らないでね」と牽制の意図が大きかった。
不器用ながらも夕立がマフラーを着々と編み続けていた時、ある話を耳にすることになる。提督がマフラーを身につけてきたということだった。それそのものは特に気にすることのない話だ。提督だって寒くなればマフラーをまくさと。
しかし、どうも事情を聞くと夕立と時雨には無視できないことのように思えた。提督はそのマフラーをどういうわけか大切にしていて、特別の思い入れを見せているという話だった。ある艦娘がその理由について聞いても笑うだけで答えないと言う。
だから、あれは殉職した戦友の形見なんじゃないかとまことしやかに噂されているということだった。その情報は夕立を意気沮喪させるには十分だった。そんなすごいマフラーが提督の首周りの座を占めているのならば、私が作ったこんな不格好なものの入る余地なんてないじゃない。作業効率は格段に落ちた。
実のところ、そのマフラーは何でもなかった。ただ提督は夕立がマフラーを作るという話を聞いて、他の艦娘とプレゼントを被らせないために思わせぶりなマフラーを巻いただけなのだ。それを見せればその艦娘がわざわざマフラーをプレゼントすることもないだろうと考えたのだ。だから、夕立や時雨の前ではそのマフラーを外していたのだが、残念ながら提督は女子の情報コミュニティの影響力を甘く見すぎていたのだった。
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