過去ログ - 提督「降りしきる>>1の中で>>1と>>1つ」【安価】
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11:名無しNIPPER[saga]
2015/08/01(土) 20:34:28.48 ID:WOfLjiaL0
偶然的運命。事前には偶然だったかもしれないが、事後に運命にされてしまうこと。提督にはよくよく馴染みのある表現だった。反対の運命的偶然もあるはずだが、起こりうるべくして起こった偶然というのは余り好きな考えではなかった。

運命的偶然を主張するときにはもっぱら「あなたがたの認識論の範疇ではただの偶然かもしれませんが、存在論的には見えざる意図があるのですよ。ええ。それは神のか、秘密結社のか、アメリカのかは知りませんが。ええ」といった厚かましい陰謀論的語調になってしまうのを嫌うからだろう。

かたや偶然的運命を言うときは、何となく愛らしい人間性を垣間見る気がするのだった。「なあ、夕立。もし男女が運命の出会いを果たしたとすると、そいつらはどうなるべきなのだろうか」「愛によって結ばれるっぽい」「そうか。ならば、夕立、俺たちは付き合うべきではないのか」「そうなるっぽい」

こうした次第で提督と夕立はめでたく愛を誓いあう仲になったのだった。風に吹かれた夕立は少しの間、雨宿りしている二人の場所に侵入し優しく濡らした。

提督と夕立は同じ段に座り直した。そして提督は夕立の肩に腕を回して夕立を引き寄せた。夕立はその流れに沿って提督の胸のなかにすっぽりと頭を納めた。提督の胸が少し濡れた。

もし第三者として通行人が身を寄せ合う彼らの様子を見るならば「まあなんて素敵な恋人達なんでしょう」と溜め息まじりに評価したはずだった。


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