過去ログ - 提督「降りしきる>>1の中で>>1と>>1つ」【安価】
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名無しNIPPER
[saga]
2015/08/01(土) 20:36:27.93 ID:WOfLjiaL0
提督と夕立は紛れもない恋人であったが、また真実恋人ではなかった。彼らの関係は非恋人的恋人であったのだ。事前には他人であったが、事後には恋人であった。認識論的には恋人であり、存在論的には非恋人であった。
このことは提督と夕立が本当に愛し合っていないということを示すものではない。彼らは確かに内面を愛で充実させていたわけではなかったかもしれないが、双方が関係し合う、その関係のうちには愛が充実していた。
提督は夕立の愛を、夕立は提督の愛を現実的にまざまざと実感できた。しかし、提督は夕立への提督の愛を、夕立は提督への夕立の愛を理解せず実感できなかった。二人共自分の感情を相手によって初めて知った。自分の顔を鏡で見る必要があるように、自分の愛も相手の瞳を通して見る必要があった。
「夕立は俺を愛しているよ」「提督さんは夕立を愛しているっぽい」。心理行動主義を皮肉った冗談のような応酬であったが、二人は大真面目であった。
提督と夕立にとってみれば、これこそが本当の恋人の関係であった。ロマンス小説によくある自分の愛は確固としているが、相手の愛がわからないという苦悩は彼らにとってはどこまでいっても虚構であった。運命的偶然を主張する陰謀論的押し付けがましさがそこにはあるように思えた。
提督と夕立において全ては空虚から始まり後から充実した。水を入れたいならば、空のコップを用意してから、そこに注ぐべきだ。提督と夕立以外の世界は全て倒錯しているのではないかというのが、彼らの共通理解であった。世界の事件というのは全て注いでから空のコップを用意しているようなものに見えた。だから、世界は虚しい虚しいと虚無主義が横溢しているのではないかと思った。
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