79:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 17:55:19.65 ID:5uQHH2Qt0
そこで私はふとある考えが頭に浮かびました。
まさか照さんが――?
……いえ、そんなわけないですね。だって照さんは玄さんが刺されたとき、まず間違いなく私たちの目の前にいた。
80:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 17:57:00.03 ID:5uQHH2Qt0
と、私は目の前に智葉さんに弘世さんがいないことに気付いた。
和「智葉さん……弘瀬さん?」
返事はなく、辺りを見渡しても誰もいない。
81:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 18:00:46.42 ID:5uQHH2Qt0
もうだめかもしれない。と、そのとき頭に咲さんの顔が浮かびました。
せめて最後に一回咲さんの顔が見たい。
厳格な家庭にはないあの――
82:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 18:04:14.52 ID:5uQHH2Qt0
咲「和ちゃん!」
と咲さんは目尻に涙をためて、私に飛び付く。
和「咲さん……苦しい」
83:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 18:07:54.81 ID:5uQHH2Qt0
和「それで戻らなくなってどれくらいなんですか?」
咲「えっと八分くらいかな」
八分、と聞いて私は動揺を隠せませんでした。
84:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 18:10:02.25 ID:5uQHH2Qt0
見るとそこには、智葉さんがいた。多少顔が蒼白かったけれど、智葉さんはニッと白い歯を見せ、なんともないことを示した。
ああ、生きてた!
私と咲さんは立ち上がり、智葉さんの側によった。
85:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 18:11:57.37 ID:5uQHH2Qt0
久「少し凍傷しているだけ。私と照は大丈夫よ」
弘世さんがぐったりとしていたので、私が症状を聞くと部長はそう返事した。
しかしそこには大星さんの姿がなかった。
86:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 19:02:51.80 ID:5uQHH2Qt0
9
私は再びソファーに座っていた。
談話室には今私と咲さん、愛宕さんと末原さんだけがいた。
87:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 19:04:41.07 ID:5uQHH2Qt0
恭子「……あまり気乗りせえへんけど、一応新子たちにも事情知らせなあかんなあ」
末原さんはそう言って腰を浮かしかけた。
だけど愛宕さんはそれを制した。
88:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 19:06:26.70 ID:5uQHH2Qt0
数分後、二階からはまず部長が降りてきた。
久「あはは、ずいぶん少なくなったわね」
珍しく弱音のようなことを言ったので、私は耳を疑って部長を見ました。部長は私に気付いて、弱々しく微笑を浮かべました。
89:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 19:10:44.07 ID:5uQHH2Qt0
久「さてととりあえず状況を整理しましょうか」
恭子「いや、それは主将が戻ってからでええやろ」
なるほど確かにそれはその通りでした。
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