1: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/02(日) 22:06:51.06 ID:SEr4tbLco
――魔王城
勇者「はぁ、はぁ……」
魔王「くっくっく、どうしたもう終わりか勇者よ」
「我を倒すには、ちとレベルが足らんかった様だなぁ……?」
くそったれの魔王が厭らしい笑みを浮かべる。
あと一歩まで追い詰めたはずだが、未だに魔王は余裕を持った顔だ。
勇者「うるせぇ……やせ我慢、してんじゃねぇよ魔王!」
魔王「やせ我慢? くっく、それはどうかな勇者よ……?」
ぶぉん、と魔王の禍々しい右手がドス黒く輝く。
やばい、やばすぎる―――マジで、アイツは余力を残してやがる!?
魔王「貴様のパーティは既に壊滅。残るは貴様……くはは、もう諦めるが良い」
「それとも、その塵芥と同様に散らしてやろうか? 我が軍門に下るなら、命までは取らぬぞ」
背後に倒れた仲間。戦士、僧侶、魔法使い……みんな、激闘の末に殺された……。
俺を守る為、死んでいった。街の教会に戻れば……戻る事ができれば、蘇生魔法も施せるけど……。
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2: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/02(日) 22:07:30.55 ID:SEr4tbLco
勇者「くそったれめ! ふざけんなよ、お前なんかに命乞いなんかしてみろ……こいつらに、なんて詫びればいいんだよ!」
魔王「ふん、くだらん」
3: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/02(日) 22:07:58.90 ID:SEr4tbLco
勇者「あが、あがが……」
言葉も上手く話せない。絶望が、ゆっくりと、しかし確実に襲ってきた。
4: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/02(日) 22:08:25.64 ID:SEr4tbLco
どくん、どくん―――魔女が、俺の身体に触れる。心臓が、爆音を立てる。
魔女の手に何かが、吸い取られて行く気がする、いや、確かに吸い取られていた。
勇者「が、ががあああああああああああ!!!!????」
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