33: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/03(月) 19:21:50.61 ID:RYHG2sjFo
使者「呪術師殿は居られるか」
呪術師「……私、だけど」
使者は呪術師の顔を知らないのか、彼女が答えると少し眉間にシワを寄せた。
使者「貴女は勇者パーティの一員である、魔法使い殿の姉君である事に間違いはないな?」
呪術師「そう、だけど」
使者は短く唸ると、更に眉間にシワを寄せた。
溜息混じりに、しかめっ面が一転して困り顔へと変わる。
使者「……この度、勇者パーティである戦士殿、僧侶殿、そして魔法使い殿が王都へと現れた」
犬勇者(なんだって……っ!?)
呪術師「魔王討伐が為された、と?」
使者は首を振り、言葉を続ける。
使者「分からん。だが、可能性は低いだろう。三人は……昏睡状態で、王都の門前に現れたのだ」
呪術師「……勇者、は」
使者「勇者様の姿は確認出来なかった。パーティである三人が、眠った様な状態で……門前に倒れていたのだ」
犬勇者(眠った……? じゃあ、生きているって事か……!)
では魔王はあの三人を蘇生し、その上で王都に送り込んで来たという事だろうか。
さっぱり訳がわからない……そんな事をするメリットはない。
強制帰還の魔法が発動したのかと思ったが、俺が生きている以上はあり得ないし……。
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