49: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/09(日) 11:31:31.86 ID:3Ri8fxGZo
神官「随分と遅い到着ですね、呪術師殿」
一人の神官が呪術師を確認すると、少し嫌味ったらしく微笑む。
ちらり、と俺を見るとやはり嫌味ったらしく目を細めやがる。
呪術師「これでも急いで来た。それで、呪いなの?」
神官「いやはや、私どもにはさっぱり。とにかく魔術を施された形跡はありませんな」
「神聖魔法による意識回復も試しましたが、特に効果はありません。呪いの類であるなら、私どもでは少しばかり知識不足ですね」
呪術師は僅かに顔を曇らせながら、眠る魔法使いの額に手を触れる。
次いで、戦士、僧侶と思案する様に触れて行く。
犬勇者(……生きてるんだよな。こうして実物を見るまで安心できなかったけど、とりあえずは安心か)
とはいえ昏睡状態から目覚めないのは問題だ。これが呪いの類であるなら、呪術師に期待するしかないのだが……。
呪術師「……呪い? 恐らくは、魔力に淀みが少し感じられる事から、昏睡の呪いかと思われる」
「もし昏睡の呪いなら、数日もすれば目覚めるはずだけど……解呪、というよりは自然に解けるのを待つのが良いかもしれない」
神官「では、やはり呪いの類なのですか」
呪術師「断言はできない。私の知る限り、昏睡の呪いはそう何日も保たない。それに、呪術は使用者によって波長が異なる」
「媒介である血肉、または魂を媒介にする故に使用者以外には解く事は難しい……上書きなら、可能だけど」
神官「ふーむ。流石の呪術師殿でも解呪は不可と。我らが知る限りでは、貴女以上の呪術使いは存じ上げないのですがね」
呪術師「……とにかく、高度な呪いだとしても数日以内に目覚めるのは明らか。無理に呪いの上書きをするより、自然回復を待つのが妥当」
神官「では呪術によるものではなく、医学的なものであると仮定すれば……いや、それなら魔術による治癒で……」
ぶつぶつ、と神官が真剣に考え始める。魔術や呪術に対してそれほど知識のない俺には、今の会話はさっぱりだ。
とにかく呪術師が調べた限り、呪いっぽいけど、パターンが違うから断定は出来ないって感じか?
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