92: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/28(金) 03:44:32.43 ID:bXvlyvW5o
犬勇者(さて、この辺りのはずだけど――――むっ?)
最上階の、最奥の扉の先から声が聞こえる。
俺は気配を殺しながらも、耳を済ませる。野太い、男たちの声が聞こえる。
「お頭、次! 次やって!」
「しょ〜がねえなあ〜……次は、人格変化の呪いだ!」
「コイツ、陰気ッスからねえ……でも、その前に言語戻しません?」
「きしし、猫語も興奮したんだけどなあ」
「にゃんにゃんしか言えないのも、面白いけどなあ」
「お頭ぁ、早く早くぅ」
「うるせぇ、血を垂らさなきゃなんねーんだよ! ちょっと待ってろい」
「もう、さっきからそればっかじゃないッスか。針とかじゃなくて、どばっとナイフで切っちゃいません?」
「おめー……俺を、殺す気かよ」
何の会話をしてる―――いや、待て。
「…………にゃ、ん」
――――――っ!
か細い、疲弊した様な声が聞こえた。猫の様な、声だったけど。
それは紛れも無く、呪術師の声だった――――頭に血が上る。最悪の、想像が駆け巡る。
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