36: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/08/14(金) 04:35:06.95 ID:vxs29MSN0
  
  
 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 
  
  
  
 事のあらましってやつを提督に話した。どう考えても黙ったままというわけにはいかない。 
  
 「それで明日、鳥海と模擬戦をすることになったと?」 
  
 「……そうだよ、悪いかよ」 
  
 「まあ、少し呆れてはいる」 
  
 そう言う提督は椅子の背もたれに体を預けきっている。 
  
 午前中の仕事を一段落させて、今は休憩に入っているところだった。 
  
 今ではすっかり馴染みになったラムネの瓶があたしたちの机に置かれている。 
  
 「臨時とはいえ秘書艦なんだから、勝手に予定を入れるなと」 
  
 「それは本当に悪いと思ってる……」 
  
 さすがにあたしだって反省ぐらいする。 
  
 けれど提督はいつもの調子と変わらない。 
  
 「くくく……まあ今のは建前ってやつだ。それより二人がケンカしてる理由のほうが気になる」 
  
 「……それは言えねえ。これはあたしと鳥海の問題なんだ」 
  
 というか理由なんて意地を張ったからとしか説明できない。 
  
 その意地の根っこには提督も間接的に絡んでる気がするけど、やっぱりそれも伝えられる気がしない。 
  
 なんて言うのかな、藪蛇ってやつになりそうな気がするし。 
  
 それにあたしと鳥海の問題なら、提督を立ち入れさせたくない。 
  
 そうすれば鳥海はあたしだけを見るはずだから。 
  
  
  
  
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