39: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/08/14(金) 05:54:24.25 ID:vxs29MSN0
  
  
 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 
  
  
  
 模擬戦は鎮守府近海の一角で行われ、そこに面する形で観客席が設置されている。 
  
 元々の用途は軍楽隊のためのステージだったが、現在は日々の演習を見学に来る艦娘ぐらいしか利用していなかった。 
  
 が、この日ばかりはにわかに盛況の体を見せている。 
  
 鳥海と摩耶の模擬戦の話は鎮守府中に知れ渡っていたようで、哨戒や遠征などの人員を除いたほぼ全員が見学に来ていた。 
  
 というか、ちょっとしたイベント感覚なのかもしれない。 
  
 周辺を含めて、この鎮守府には娯楽が足りてない。退屈しのぎにはもってこいなのだろう。 
  
 娯楽は今後の課題かもしれない……改善できるかは難しいところだが。 
  
 こういう考えが思い浮んでくる辺りが余裕の出てきた証明なんだろうか。 
  
 ……海上にいるのは三人。鳥海と摩耶、それに審判を買って出た神通だ。 
  
 「ここにいたんですね、提督」 
  
 そう言って近づいてきたのは愛宕と高雄だった。 
  
 二人の表情は端的に言えば、それぞれ笑顔と困惑か。 
  
 摩耶の独り立ちを手助けしてほしいと言ってきた二人もこんな展開は想像してなかったと思うが……いや、どうかな。 
  
 血は水よりも濃い。水には往々にして分からないものだ、血のことは。 
  
  
  
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