過去ログ - ゆきあつ「め、めんま・・・?」2
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3:名無しNIPPER
2015/08/09(日) 23:51:12.77 ID:hvg7lG9h0
もう一度同じことを質問される。少しだけ不安そうなあなるの瞳。
大丈夫だ。素直になるって、決めたんだよ。俺。

「ああ、・・・嬉しいよ。」

驚くほど、声色もやわらかく、戸惑うことなく言葉は口をついて出た。
あなるは一瞬戸惑ったように瞳を揺らす。

「ゆきあつと、暮らしてるんだよ。めんま。
それでも・・・」
「別にそんなの関係ねえだろ。
例え俺の家に住んでようが、住んでなかろうが」
「・・・っ」
「俺と、ゆきあつにしかやれないことがあるのかもしれない。だからめんまが見えるんだろうって、思うんだ」
「じゃあ、超平和バスターズみんなじゃなくったっていいんじゃん。じんたんとゆきあつがいれば、それでかなえられるんじゃないの」
「ちげーよ。めんま、おっちょこちょいだろ。神様に見せてもらいたい相手伝える前に幽霊になっちまったんだよ。きっと」
「・・・な、なにそれ」

馬鹿じゃないの、みたいな顔をするあなるに笑いかける。

「皆に会えるようになりたかったと思ってるよ、あいつだって。」

視線が合わない時の。言葉が伝わらない時の。あの悲しい笑顔を見れば、誰だってそう思うだろう。
あなるは少し、驚いたように。でも考えるように。ふっと口元だけ笑う。

「・・・そっか、やっぱり」

あなるは視線を下に向け、右手に込めた力をひときわ強くする。そして無理な笑顔を作って言った。

「あたし、めんまにかなわないや」
「・・・?」

眉はひんまがってるし、口元はひきつってるし、てんで笑顔なんて呼べない顔で、でもあなるは必死に表情を作っているようで。なんでめんまと張り合ってんだ・・・?

「どういう意味だよ・・・」
「・・・わかんないならいい!」

そしてふい、と顔ごと視線を逃がす。どうやら機嫌がよくないらしい。自然と間のあく会話。

「・・・、あのさあ。また皆で集まろうぜ」
「・・・ん。めんまのお願い、叶えなきゃ、ね」
「今からどっか行くのか?俺秘密基地行こうと思ってんだけど」
「・・・あんたには関係ないでしょっ。あ、遅れるっ!じゃーねっ」

腕時計を見て顔色を変え、猛烈にダッシュしていく後姿。さっと方向を切り替えたときのあなるから、シャンプーやら化粧の香りが混じったみたいな、女の香りがして息が詰まる。
俺たちは本当に――成長してしまった。大きくなってしまった。あの夏の日を置き去りにして。――そうなのだけど、大きくなったあなるの、あわただしい姿に少しあきれる余裕もあったらしい俺は、高いヒールだから足首からひねったりしないことを祈りつつ見守る。

「忙しいやつ・・・」



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